業種別の調査ポイント(その3)~電子商取引~
業態
ここではインターネットを通じた商品等の販売やサービスの提供、いわゆる電子商取引を行う会社に対する税務調査をテーマとします。
インターネットの普及を背景として電子商取引は急速な進展を遂げていますが、その新しい形態の取引により稼得された所得に対し税務当局は適正に課税できていない状態にあります。
それは、電子商取引の以下の特長による所得捕捉の困難性によるものです。
- 取引の広域化、国際化
電子商取引には国境等が存在しないことから、インターネットを通じて広域的、国際的な取引が容易に行える - 事業者の把握・特定が困難
店舗、資金がなくとも、誰でも参入できるほか、取引の匿名性が高く、納税者の把握が困難 - 取引記録の把握・確認が困難
データの消去が容易であるほか、電子的な取引情報等は把握・確認が困難
税務当局は国税局に統括国税実査官・電子商取引担当(前身は「電子商取引調査専門チーム」)を設置し、インターネット取引に関する情報を収集・分析し、大口脱税が見込まれる納税者を選定して調査を実施したり、例えばアフィリエイト事業など特定の事業形態に着目した一斉調査を行うなどして、電子商取引に対する課税の強化を図っています。
個人による副業的収入
個人が副業的にアフィリエイトや商品の売買、オークションなど電子商取引を行い、それなりの収入を得ているにもかかわらずそれを申告していないことによる所得の捕捉漏れが大きいと考えられます。
前述の国税局の電子取引担当を中心に捕捉漏れの解消に取り組んでいます。
税務調査による否認事例
- 電子商取引により得た収入の無申告(特に個人)
- ホームページの制作費用の中にプログラムの作成費用(ソフトウェアの開発費用)が含まれているのに全額を広告費として損金処理していた
- システムエンジニアに対する「給与」を「外注費」として処理していた
- 国外事業者から提供を受けるネット広告に対する対価につき、消費税の処理が誤っていた(リバースチャージ方式の導入)
- ホームページ作成請負業において、製作中のHPに係る外注費を棚卸資産(未成工事支出金)に含めず損金処理していた
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- 業種別の調査ポイント(その4)~運送業~
- 業種別の調査ポイント(その5)~卸売業~
- 業種別の調査ポイント(その6)~小売業~
- 業種別の調査ポイント(その7)~貿易業~
- 業種別の調査ポイント(その8)~不動産業~
- 業種別の調査ポイント(その9)~飲食業~
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