「否認に関係のない資料」の提出は必要か?
先日、税務調査に関する講義をさせてもらった際、受講生の会計士から表題のような質問を受けました。
税務調査の中で、調査官はいろいろな資料の提出を求めます。
税務調査は査察部の調査を除き任意の調査であるため、納税者の協力の上に成り立つものといえます(注)。
すなわち、究極的には調査に協力するしないは、納税者の自由意思によることとなります。
だからと言って、調査官の指示する書類の提出を拒むのは、よほどの理由がない限り避けるべきです。
調査官が要求する資料のほとんどは直接「否認項目」に関係ない資料です。
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問題がないことを確認するのも調査官の仕事ですから、上司(統括官)に復命(報告)するために否認に関係のない資料を入手することも必要なのです。
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調査官に付与された裁量の中で行う判断に対しては抗わず協力をするのが調査をスムーズに進行させるために必要なことだと考えます。
調査に非協力的な態度を示すのは決して得策ではありません。
調査官が署に帰って上司にその非協力的な態度を報告したとします。
子供が友達に殴られて帰ってきたら親は立腹するものです。
資料調査課出身のイケイケの上司かもしれません。
次の日には人員を増加して現況調査が実施さるかもしれません。
相手は会社にやって来る調査官ではなく国税組織であることを理解すべきです。
協力的な姿勢を示すことが最後の交渉で譲歩を引きだす上で重要な要素となります。
調査の入り口などでもめないで、うまく付き合うことを考えるべきでしょう。
(注)無制限に任意ではなく、虚偽答弁など調査に対する非協力、妨害については罰則(一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金)が科されることとなっており(国税通則法127(2))、事実上、受忍義務があることになっています。
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