領収書の金額を水増しして発行したため、多額の課税の指摘がなされた事例

税務調査の立会い依頼がありました。

依頼主であるA氏は、B社に対して金額を水増しした領収書を発行したため、税務調査で大きな課税を指摘される羽目になりました。

以下は、その経緯と税務調査対応です。

 

依頼主A氏は個人事業主であり、B社の専属下請けをしています。

A氏は、B社から業務委託に係る領収書の金額を水増しして発行するよう指示され、立場上、断り切れずにそれに応じることとなりました。

B社は、その領収書を基に経費を水増し計上し、脱税(税金の過少申告)していました。

半年前にB社に税務調査が入った際に、A社に対する(水増しされた)業務委託費は特に問題になりませんでした。(他にも大きな問題があったようで、スルーされたようです。)

A氏は、例えば、本来10万円の領収書を30万円と記載するなど、水増しの度合いは、かなり大きいものでした。

過去5年間で実際にA氏がB社から受け取った金額は3,000万円程度ですが、領収書の金額は約9,000万円でした。約3倍の金額です。

A氏は所得税の確定申告を怠り、無申告の状態でいたところ、今回の税務調査がはじまりました。

調査官は、B社がA氏に対して過去5年間に約9,000万円の業務委託費を計上していることを「資料せん」により把握しており、そのためA氏に9,000万円の売上があることを前提に調査が進められています。

B社に税務調査が行われた際に、A氏に対する支払額9,000万円が税務署内の情報として蓄積されていたわけです。

【関連記事】 ⇒ 税務署の「資料せん」とは・・・?

そのような状況下で税務調査の立会依頼がありました。

専属下請けという弱い立場上、B社の業務委託料を6,000万円水増しする不正加担依頼を断れなかったため、B社の脱税した分を肩代わりしなければならない状況になってしまったわけです。

しかし、私が思うに、B社の税務調査で、業務委託料を6,000万円も水増ししているにもかかわらず、それを見抜けなかった当局の失態がそもそもの原因です。

A氏から調査立会の依頼を受けた税理士としてあるべき対応は、単純に以下のことを主張し、その客観性を示すことです。

  • B社から水増し領収書の発行を依頼されそれに従った。(経緯の説明:専属下請けであり、立場的にそれを断ることができなかった)
  • 水増し額は、約6,000万円
  • 実際の取引額は、3,000万円(直接・間接に取引額3,000万円の妥当性を証明する資料の提示)例:見積書、原価との釣り合い、世間相場(単価)、生活状況調査

これらを主張するのは、難しいことではありません。実際の事実関係どおりのことを主張するのは矛盾がなく説得力があるからです。

ただ、このように単純にA氏の正当性(売上高は、9,000万円ではなく3,000万円)を主張すれば、すなわちそれはB社の不正経理を告発していることにもなるため、その主張が受け入れられれば、B社に対して、再調査が行われることとなります。

その結果、B社の社長の怒りを買い、A氏と以後の取引を停止される羽目になれば、A氏にとってそれほどの損失はありません。

A氏としての対応は、①B社の不正経理のとばっちりを甘受して追徴課税を受け入れるか(数千万円規模)、②あくまで正当性(売上高は、9,000万円ではなく3,000万円)を主張するか、③B社の社長と相談して共同で事案に対応するかのいずれかです。

私は③の方針を提案し、A氏、B社の社長、私の3人で話し合い、本来の取引額について共通の認識(本来の取引額は3,000万円)をもっていることを確認し、本来ある正しい申告の形に戻すように促しました。

B社の社長も観念したようで、自主的に修正申告を提出することに合意しました。

A氏の税務調査の担当官には、真の事実関係を直接・間接証拠を提示することにより主張し、受け入れてもらえました。(売上3,000万円を納得してもらえましたが、所得金額の計算については、担当官と別途計算方法を協議し、ミニマムの税金になるように仲介しました。)

また、B社の修正申告については、自主的なものとして受け付けられ、加算税の賦課は減免されました。

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元国税調査官の税理士:渡邊 崇甫
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この記事の著者情報

渡邊 崇甫税理士(元国税局調査官)
これまでの経歴
  • 国税局 調査第一部 国際調査課
  • 国税局 調査第一部 特別国税調査官
  • 国税不服審判所(本部)
著書

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