不正計算の証拠固め「聴取調書(ききとりちょうしょ)」とは?

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渡邊 崇甫税理士(元国税局 調査官)
公開日:2016年11月23日

税務調査の流れの中で、納税者(調査を受けている人や会社)は、調査官からの質問に対して受け答えをすることとなりますが、その会話のやり取りを調査官が証拠として残すことがあります。

例えば、納税者が売上除外や架空原価などの不正計算を認めた場合など、その前後の質問及び回答のやり取りを記録として残し、課税するための証拠資料として残すのです。

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「質問内容(調査官)」と「それに対する回答」のやり取りを文書にします。

『聴取調書』のイメージ
 質問 ・・・・・
 回答 ・・・・・

 質問 ・・・・・
 回答 ・・・・・

その資料を『聴取調書(ききとりちょうしょ)』と呼んでいます。

この「聴取調書」は調査官が作成した後、それを納税者に読み聞かせ、その内容に間違いがなければ納税者は署名押印することになります。

署名押印を拒否する自由は担保されていますが、署名押印を拒否する理由の説明と「聴取調書」に記載された内容が正しいかどうかの受け答えは必要です。(拒否する場合、「聴取調書」の末尾に「納税者に読み聞かせ、記録の内容に相違ない旨確認するも、○○の理由により署名押印には応じなかった。」というような定型の文言が記載されます。それにより、署名押印がなくても不正計算を証明する証拠能力が保たれることになります。)

したがって、重要なのは、調査官が作成した「聴取調書」の内容が正しいかどうかです。

往々にして調査官は、課税するために都合の良い表現で「聴取調書」の文書を作成します。

課税のための資料にするのですから当然ですが・・・。

場合によっては、その文書の表現により、通常の過少申告が隠ぺい仮装行為(重加算税の賦課対象)に扱われたり、あるいは、本来課税されないで済む事実が課税されるべき事実にすり替えられたりします。

これは実際によくある話なのです。

したがって、調査官が「聴取調書」読み聞かせる時には、一言一句間違っていないかどうかよく確認する必要があります。

もし間違っていれば、あるいは、ニュアンスがおかしければ、是正してもらうようにはっきりと意思表示をしなければなりません。

「ちょっと違うけど、まっ、いいか?」は命取りです!(笑)

安易に署名押印すると、あとあと困ることになります。

ただし、仮に調査官の口八丁手八丁に乗せられて署名押印をした場合は、後から「あの時にサインしたのは調査官に○○(サインを誘導・強要するようなこと)と言われたから、仕方なくサインしました。」とその署名押印をした前後の調査官の言動を主張し、その「聴取調書」の証拠能力を否定することも可能です。

「聴取調書」の作成時には、税務調査に精通した税理士の立会いを求めるのが良いでしょう。

 

 

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