「調査省略」ってなんだ?
税務署には、たくさんの申告書が提出されますが、当然のことながらすべての申告書について税務調査を実施し、その内容の適否を検討するわけではありません。
税務調査が行われるのはほんのごく一部で、残りの申告書については机上で申告書の内容のチェックだけで審査が終了する「調査省略」(または単に「省略」とよんでいます)という処理がなされます。
ちなみに「調査省略」に対し、通常の税務調査のことを内部では「実地調査」とよんでいます。
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税務職員は、外に出て税務調査を行う傍らで、空いた時間を有効に使って内勤し、この「調査省略」をします。「調査省略」を行う上で、さまざまな申告書のチェックポイントがあり、各数値の整合性を確認したり、異常数値の有無などを検証したりします。
この「調査省略」を行う中で、「どうも問題がありそうだ・・!」という申告書が見つかると「実地調査」の玉に振り替えられ、税務調査が行われることもあります。
税務職員は、このように日夜、「実地調査」、「調査省略」を通して、申告書をチェックしているので、申告書の「仕組み」や「あやしいポイントの見抜き方」、「問題のある申告書の選別方法」を熟知しています。
要は調査官として申告書をチェックするノウハウが業務を通じて自然と身につくわけです。
私も現役時代は、「実地調査」で調査力を「調査省略」で審理力を養いました。
国税局・調査部(特官室)の勤務時代は、超大規模法人の申告書の「調査省略」に1ヶ月ちかく費やしたこともあります。
外国税額控除の証拠書類を申告書に添付しなければならない時代で(法改正により現在は会社保管で済むようになり申告書への添付は必要なくなっています)、その書類だけでも段ボール3個分もありましたからそのチェックだけでも相当時間がかかったものです。
さらに連結納税を選択していれば最悪ですね(笑)
連結子会社が100社近くぶら下がっている申告も調査部(特官室)ではざらですから・・・当然、すべての連結子会社の申告内容も審査することとなります。
そんな会社の「調査省略」指令が出た日にゃ、たまったものじゃないですね・・(笑)
とまれ、納税者は、すんなり「調査省略」がなされるような問題のない申告書を作成することが必要ですね!
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