税務署からの電話を無視し続けるとどうなりますか?

税務調査について質問です。

先日、税務署から突然電話があり、「税務調査の件で・・・」と切り出されました。

反射的に「今、来客中なのでまた後でかけ直してほしい」と伝え、電話をいったん切りました。(実際は来客中ではなかったのですが・・・)

その後、税務署から何回か電話がありましたが(発信元番号の表示で分かります)、怖くて電話に出ていない状態です。その状態が3日ほど続いています。

ちなみに税理士はいません。

この電話を無視し続けると、最終的にどうなるのでしょうか?

最終的に調査をあきらめないでしょうか?

税務署は、納税者から提出されたすべての確定申告書について「審査」を実施します。

「審査」とは、簡単にいえば、

  1. 確定申告書に記載された金額について、明らかな記載誤りや計算間違いがないか、
  2. 申告内容が、税務署に蓄積された資料情報(資料せん)と照らして妥当なものであるか

【関連記事】 ⇒ 税務署の「資料せん」とは・・・?

の2点に集約できます。

特に上記②については、税務署独自のノウハウで行われる作業です。

審査の結果、「問題なし」と判断されれば、それで終わりますが、「問題あり」「要確認」と判断されれば、税務調査案件として選定されます。

 

【関連記事】↓ 税務署が税務調査先に選ぶ基準とは?

 

選定された案件については、税務署の担当者が、その納税者または顧問税理士に連絡(通常、電話によります)をして、双方の日程を調整し、税務調査が行われます。

お尋ねのケースでは、税務署の担当者が税務調査の日程を調整するためにあなたに連絡していますが、なかなか連絡がつかなくて困惑している状態です。

この状態が続けば、税務署に以下のような悪い印象を与えます。

  • 税務調査を回避するために逃げている
  • 確定申告書にやましい点がある
  • 不正(脱税、租税回避)がなされている

そうなると、担当者を増員して、通常の調査から本格的な調査体制に切り替えることも想定されます。

納税者本人と連絡が取れない以上、取引先や取引銀行に反面調査を実施する形で調査は進んでいくことになります。

【関連記事】 ⇒ 税務調査の実態(その4)~反面調査~

税務署から税務調査の通知があるということは、税務調査事案として選定されたものであり、選定される理由があったということです。

その選定された事案について、税務署が納税者と連絡が取れないことを理由に調査案件から外すことをすれば、それが前例となり税務署からの連絡を無視し続ける納税者が現れます。

税務署は、決して納税者と連絡が取れないことを理由に調査をあきらめることはしません。

全国対応・緊急案件対応

神戸を中心に大阪、東京、名古屋に国税OB税理士を配置しています。

地域によっては遠距離移動を伴いますが、全国の税務調査に対応します。

また、調査官が突然、無通知でやってきた場合や既に調査が始まっている場合などの緊急案件にも年中無休で対応しています。とりあえずご一報ください。

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元国税調査官の税理士:渡邊 崇甫
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このQ&Aの回答者

渡邊 崇甫税理士(元国税局調査官)
これまでの経歴
  • 国税局 調査第一部 国際調査課
  • 国税局 調査第一部 特別国税調査官
  • 国税不服審判所(本部)
著書

元国税の税理士だから
税務調査対策が万全

専門性の高い国税職員経験を
活かした万全な対策。