突然、税務署から税務調査の通知があった場合の5つの対処法
税務署から突然税務調査を行うという通知(電話)を受けた場合、どのように対処すべきなのでしょうか?
税務調査の対象となる事業者
個人事業主でも事業を行っていれば税務調査の対象となります。
法人(会社)であればなおさら税務調査の可能性は高まります。
これら事業を営む個人事業主や法人(会社)が税務署に提出した確定申告書(所得税、法人税、消費税等)の金額が正しく計算されているか税務署がチェックするのが税務調査です。
税務署に確定申告書を提出すれば税務署は内容をチェックせずに自動的に受理しますが、受理されたからといって、それでその内容が認められたわけではありません。
確定申告が受理されたのち、税務署内で担当部署に回付され、回付を受けた担当部署がその申告書の内容を審査します。
審査をした結果、税務調査の対象にするかどうかを判断します。
その判断基準(調査対象の選定基準)として、およそ以下のことを考慮します。
(1) 申告書に記載された内容に確認すべき事項(平たく言えば不審な点)が含まれている
- 「売上」と「原価(仕入/外注費)・棚卸高・営業利益など」の比率(過去の数値や同業者との比較)が異常である
- 特定の勘定科目の著しい増減
- 店舗経営の場合、集客状況と売上高の不整合がある(外観・内観調査を伴う)
【関連記事】 ⇒ 準備調査(その4) ~ 外観調査・内観調査 ~ - 法人の場合、代表者からの借入金が増加している(簿外資金の導入)
- 個人の場合、個人資産(預金・不動産・動産・有価証券など)の増加状況と所得金額との間に不整合がある
(2) 税務署内の「資料せん」と申告内容の照合による不整合がある
資料せんとは、税務署に蓄積された膨大な取引資料が納税者ごとに名寄せされたもの。
売上や外注費の金額がその資料せんの金額と照合し整合しているかどうか検討します。
【関連記事】 ⇒ 税務署の「資料せん」とは・・・?
(3) 税務署へのタレコミによる事実確認の必要性がある
税務署には日常的にタレコミや投書がなされます。過去に勤務した従業員、下請け業者、代表者と離婚した配偶者や元愛人、近隣住民など、情報元はいろいろで、信ぴょう性の低いものもありますが、その情報により大きな不正計算の実態を把握するきっかけになる有用な情報もたくさん含まれています。
以上のようなフィルターにかけられた結果、調査対象に選定された個人事業主や法人(会社)に対し税務調査が実施されます。上記の判断基準においてなんらかの調査の必要性があると判断された個人事業主や法人(会社)なので、税務調査が始まる前からどの項目を重点的に調べるか調査官はあたりをつけています。実際、調査の専門家である調査官がすることですから、あたりをつけた項目が適正に計算されていない確率は極めて高く、おおむね高い精度をもって選定されているといえます。
事前通知
調査対象となる個人事業主や法人(会社)が決定すれば、その対象者に調査予定日、調査対象税目・年度などを事前に通知します。
飲食業や店舗小売業などの現金商売をしている業者や大型不正が見込まれる事案等、その事業者の実態を把握するためには事前通知をしない方が有効的と判断される事案については事前通知をせずにいきなり納税者の事務所や自宅などに臨場するケースもあります。
対処法
(その1)調査担当者の確認
事前通知があるにせよ、事前通知なく突然調査官がやってきた場合にせよ、以下のことは必ず確認する必要があります。
- 調査担当者の氏名、所属、官職
所属:例 ○○税務署・個人課税第〇部門、○○国税局・課税第2部・資料調査第〇課
官職:例 税務署→統括官、上席国税調査官、国税調査官、事務官、国税局→総括主査、主査、国税実査官、国税調査官 - 担当調査官の人数
- 調査対象税目、調査対象年度
税務調査を担当する部署・人数により税務当局の調査の本気度を測ることができます。
税務調査を対応する上で貴重な情報となりますので正確な把握をすることが求められます。
【関連記事】 ⇒ 税務調査の種類
(その2)税理士の立会いの手配
税務調査では、日々税務調査を行っている税務調査の専門家である調査官を相手にするため、税理士の立会いが必要不可欠です。
税理士の立会いがないと適切な課税が行われるかどうか自らチェックするのが困難であるからです。
適切な着地や交渉を自ら行うのは非常に困難です。
顧問税理士がいても税務調査の立会いの専門でない場合は、セカンドオ・オピニオンとして税務調査立会いの専門税理士(OB税理士)に立会を依頼するのが得策です。
顧問税理士がいない場合は至急、税務調査立会いの専門税理士に立会を依頼する必要あります。
【関連記事】 ⇒ 税務調査の立会いなら「OB税理士」が良い・・・の意味
(その3)現状分析
税理士に現状を分析してもらい、課税リスクを推計します。
- 正当な申告をした場合の金額と実際に申告した金額に差異があるのか
- どの部分に指摘され得る要素があるのか
- その金額はいくらか
- 指摘を回避できる法令解釈・判例などはあるか
- 正当性を主張できるその他理由はあるか(合理性、経緯、やむを得ない事情など)
(その4)調査方針の確定
現状分析を基に税務調査の着地点を検討します。
問題として受け入れる事項、主張・反論すべき事項などを整理し、真摯に税務調査に向き合います。
(その5)最終交渉
税務調査で最終的に指摘事項として挙げられた個々の事項につき、税務者サイドと交渉します。
課税対象となるか ならないか明確にできないグレーゾーンに対する指摘事項については、「納税者有利に解釈すべき」が原則です。
事実関係、課税要件、法令解釈、判例、会計慣行、課税(税務処理)慣行を踏まえ正当性を主張します。
【関連記事】 ⇒ 税務調査で指摘される問題点とそれに対する適正な反論
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