税務調査はどこまで調べる?
税務調査が行われた場合、調査官はいったいどこまで調べるのでしょう?
ここでは、「調査の具体的な手順」、「調査対象となるもの」、「調査対象期間」について説明します。
調査の具体的な手順
税務調査が行われた場合、およそ以下の手順で調査が進められます。
(1) 確定申告に記載された内容の明細・内訳を確認(どんどんブレイクダウン=分解していく作業)
▼例
確定申告書に売上1,000万円と記載されていた場合
→ 決算書・総勘定元帳・その他業務管理資料等により月別、相手先別など1,000万円をどんどん分解していく。経費(仕入、外注費、その他交際費などの費用)も同じです。
(2) 「(1)で分解した売上、経費、棚卸など」と「証ひょう書類(請求書、領収書、通帳など)」と照合
(3) 「資料せん」(税務署に蓄積された各種取引資料で調査官が手元に持っている)と帳簿との照合
(4) 不審な取引の抽出
▼例
- 得意先への請求書(控)はあるが売上が計上されていない。
- 「資料せん」により把握した売上が計上されていない
- 経費の計上はあるが領収書がない。
- 領収書が怪しい
- 仕入の計上はあるがその商品の売上がなく棚卸にも計上されていない
- 人件費のなかにタイムカードのない者への支払いが含まれている
(5) 事実関係の解明(反面調査・銀行調査)
▼例
(4)で抽出した不審な取引について、取引先に対して調査※を行い、ヒアリングや取引先の帳簿を確認する。
※取引先に対する調査を「反面調査」といいます。
【関連記事】 ⇒ 税務調査の実態(その4)~反面調査~
調査対象となるもの
税務調査の対象となるものは業務に関係する各種資料やデータの他、経営者との資金交流を確認するため役員の個人口座や個人事業主の生活口座も調査対象となります。具体的には以下のものがあげられます。
- 一般帳簿(決算書、総勘定元帳、仕入帳、売上帳、現金出納帳など)
- 各種契約書
- 金融機関との取引(通帳<役員個人口座、生活口座を含む>、当座照合表、カード利用明細、送金依頼書など)
- 証ひょう書類(請求書、領収書、見積書など)
- 業務関係資料(社内稟議書、資金計画表、工事台帳、営業日報・・・etc.)
- パソコン内のデータ、メールのやり取り
- 個人事業主・役員の手帳
- その他業務に関連する資料・データ
調査対象期間
調査対象期間は3年間(3期分)とするのが一般的です。
ただし、法的には5年間の調査が可能です。
また、売上除外や架空仕入れの計上などの不正計算があれば7年間遡及することが法的に可能です。(重加算税が課されるケースでは7年間遡及するのが一般的です)
【関連記事】 ⇒ 調査現場で展開される調査の実態↓
- 税務調査の実態(その1)~事業概況ヒアリング~
- 税務調査の実態(その2)~帳簿調査~
- 税務調査の実態(その3)~現況調査~
- 税務調査の実態(その4)~反面調査~
- 税務調査の実態(その5)~現物確認調査~
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