「会社に対する税務調査」と「個人事業主に対する税務調査」どう違う?

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渡邊 崇甫税理士(元国税局 調査官)
公開日:2017年11月19日

税務署には、大きく分けて会社の税務調査をする「法人課税部門」と個人事業主の税務調査をする「個人課税部門」があります※。

※相続・贈与の調査を担当する「資産課税部門」もありますが、少し毛並みが違うのでここでは触れないでおきます。

「法人課税部門」と「個人課税部門」、同じように事業から生じる利益(税務上は「所得」といいます。)の計算が正しいかどうかを調査することが主な任務となりますが、それぞれ特徴があります。

会社に対する税務調査(法人税調査)

「法人課税部門」の調査においては、調査対象となる会社(法人)には基本的に帳簿が整っているため、帳簿上の処理が適正に行われているかどうかが主な検討事項となります。

すなわち、帳簿調査が中心となります。

売上除外などの簿外取引を調査対象とすることも当然ありますが、それとて帳簿調査の矛盾点などから計上すべき売り上げの存在を察知し、その延長線上になされるもので、やはり帳簿調査が基本になることに相違ありません。

「法人税課税部門」の調査官は、会計仕訳(=複式簿記)で取引を考察します。

常に会計処理の適否を検証しているため会計・税法に明るくなります。

【関連記事】 ⇒ 税務調査の実態(その2)~帳簿調査~

個人事業主に対する税務調査(所得税調査)

一方、個人事業主を調査対象とする「個人課税部門」の場合、青色申告によりきちんと記帳している納税者もいれば、どんぶり勘定でほとんど記帳を行っていない納税者も少なくありません。

特に後者(どんぶり勘定)に対する調査において、「個人課税部門」に特有の調査手法が駆使されます。

どんぶり勘定で所得を計算している場合、所得を一から組み立てる作業が必要となります。

具体的には調査対象者の「財産面からの調査」が必要可決となります。

「財産面からの調査」とは、「生活費」と「財産の増減」の2つの要素で成り立ちます。

銀行預金の入出金内容の分析、資産残高の増加状況、調査日現在の現金保有高、有価証券や不動産その他の資産の取得や保有状況などの個人にまつわるお金のフローとストックを分析することとなります。

個人事業主に対する税務調査の立会いをする税理士は、この「財産面からの調査」の手法を十分に理解しておく必要がありますが、実際はほとんどそのノウハウを持っていません。

広くWEBで「税務調査立会い専門」を名乗る税理士も同じです。

調査官ならわかる(調査官しか知らない)「別途勘定推移表」を独自に作成する能力がなければ、調査官に太刀打ちすることはできません。納税者を調査官と対等な立場でサポートすることはできません。

別途勘定推移表:「損益面からの調査」と「財産面からの調査」を結合させた申告漏れ所得の計算書

無申告の事業主の税務調査の立会いでは、なおさら「財産面からの調査」の手法を十分に使いこなす必要があります。しかも、調査官以上のレベルで・・・・

「個人課税部門」の調査官は、この「財産面からの調査」を日常的に行うことにより、所得計算の嗅覚が養われます。

「この程度の規模の事業であれば、所得はこれくらいだろう」という感覚です。

中小規模の事業者の所得計算の嗅覚は「法人課税部門」の調査官より「個人課税部門」の調査官の方が勝っているかもしれません。

【関連記事】 ⇒ 「損益面(PL面)からの調査」と「財産面(BS面)からの調査」

 

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【関連記事】⇒ 税務調査の種類

調査官が問題ありとする事案・取引について、正確な事実関係を一から洗い出し、その事実を基に理論(法)的な武装をすることにより国税当局との交渉が可能になります。

税務調査の立会いに専門性が求められるのは、国税当局に対し事案に応じた主張すべきポイントを的確に見出し、妥協せずしっかり主張しなければならないからです。

それは、納税者のためならず国税組織のため(=課税の公平の実現)にもつながることなのです。

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