売上除外の遡及3年、5年、7年? 附帯決議の重み

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渡邊 崇甫税理士(元国税局 調査官)
公開日:2016年7月20日

先日立会った税務調査で、売上除外の指摘がなされました。

売上の一部を公表外の銀行口座で取り立て、それを売上から除外していました。

大した金額ではありませんでしたが、いくらなんでも、これでは売上除外が明らかすぎて依頼者を弁護する余地はありません。

それに対し、調査官は7年間遡及して修正申告書を出すよう指示してきました。

この指示については、受け入れられない旨をはっきり主張しました。当然ですね。

なるほど、法律には不正計算があった場合には7年遡及して課税できる旨規定しています。(国税通則法70条4項1項)

しかし、国税通則法の改正により更正決定等の期間制限が5年から7年に延長された昭和56年の衆参両議員大蔵委員会で・・・

「更正、決定等の制限期間における調査に当たっては、高額かつ悪質な脱税者に重点を置き、中小企業者を苦しめることのないよう特段の配慮をする」

という旨の「附帯決議」がなされていることにより、税務調査が7年遡及するのは、「高額かつ悪質」な場合を立法上、想定しています。

国会の委員会における「附帯決議」は、その法律の運用や、将来の立法によるその法律の改善についての希望などを表明するものであり、法律的な拘束力を有するものではありませんが、政府はこれを尊重することが求められています。

つまり、行政は事実上、法律成立の過程で議論されたこの「隠れた注文」を考慮せざるを得ないこととなります。

今回の、売上除外額は僅少額であり、会社の売上規模に照らして考えても決して「高額」とはいえません。

すったもんだがありましたが、依頼者の担税力も考慮してもらい、結局3年の遡及で話がまとまりました。

不正計算があれば、必ず7年遡及されると考えておられる方が多いようですが、決してそうではありません。

 

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