基礎的な国際課税ルール
昨日は午後から、税理士を対象とした「国際税務研修」の講師を務めさせていただきました。
今回は2時間の研修で「基本的な国際課税ルール」をテーマに取り上げました。
国際課税に関する基本的なルールの説明です。
具体的には外国法人及び非居住者に対する課税ルール(源泉地国における課税関係)と二重課税の排除方法(居住地国の責務)についてです。
そのなかで様々な類型の所得についての所得発生地の認識ルール(ソース・ルール)や恒久的施設(PE)の国際的な取扱いも重要な論点となります。
現職の調査官時代、国税局の調査部(資本金1億円以上の法人の税務調査をする部署)において国際取引を専門に調査する担当を長く務めてきましたが、初めて国際税務に携わったのは調査実務でではなく、「国際租税セミナー」という国税組織の内部研修によるものした。
この研修は、国際取引の調査のノウハウを学ぶためにカリキュラムされたもので、「基礎コース」(3ヶ月)と「応用コース」(6ヶ月)があります。
この「基礎コース」において「基本的な国際課税ルール」を徹底的に叩きこまれることとなります。
その「基礎コース」に参加することとなり、初めて国際税務を学ぶことになった当時、私はある税務署の法人税部門に所属していました。日々所轄管内の法人の税務調査を行っていた私にとって、その研修における主要テーマである「外国法人・不居住者」に対する課税関係(すなわちこれが国際税務の基本的なルールになります)については、日常業務と直接関係のないテーマであったため、なかなか興味を持てず、したがって学習するのにひどく苦労したのを覚えています。
しかし、当時この興味が持てず学習に苦労した国際税務の基本的な仕組みの理解が、「応用コース」で学ぶ、「移転価格税制」や「タックスヘイブン対策税制」を学習する上で大きな助けとなりました。
研修カリキュラムを終了し、国際取引の調査事務の現場でも、この「基礎コース」で学んだ基本的な国際課税ルールは、すべての判断の基礎となりました。
同じ国際税務を担当する同僚や先輩、後輩の調査官でも、この基本的な国際課税ルールを十分に理解していない職員がたくさんいました。
その理解がなく、移転価格税制やタックスヘイブン対策税制の上っ面だけの知識しか持ち合わせていない調査官が現場で税務上の問題点ありと指摘すると、国際税務に精通した会計士(特に4大会計事務所)に手痛い反論を食らいます。
また、近年、様々な国際取引に関する課税の報道がなされますが、これらについても基本的な国際課税ルールをきちんと理解していないとその本質の把握には至りません。
「基礎」をないがしろしていては「応用」をきちんと使いこなすことはできません。
今日は、この地味だけど重要な「基本的な国際課税ルール」についての講義をさせて頂きました。
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