調査官の勇み足・・・功を焦る若手調査官
調査官は、日々の調査内容を上司である統括官に報告します。
そして、一定の不正発見事案(例:不正発見300万円以上など)については、さらに署長や副署長に報告することになります。
これを「重要事案審議会」略して「重審(じゅうしん)」といいます。
不正発見事案は、「調査官(個人)」や「調査官が属する部署」、さらには「税務署全体」の手柄として高く評価されるので、「重審」は税務署の幹部に対して自己の成績をアピールする輝かしい場であるといえます。
ですから調査官は「重審」の基準を満たす事案を作ろうと日々不正発見に努めるわけです。
ただ、たまに「勇み足」をしでかすこともあります。
調査官が内部の目先の評価を求めるあまり、実際は不正事案として成り立つには要件を満たしていないような事案をあたかも納税者(調査対象者)に不正行為があったかのように報告するようなケースです。
換言すれば、不正事案が成り立つための都合のいい事実だけを内部に報告し、意識してか否かは別として、全体の事実関係をきちんと報告しないようなケースです。
意識していたら確信犯ということになりますが、往々にして調査官は課税するために都合のいい事実しか見ようとしません。
むしろ、功を焦るがあまり「本当に見えない」と言ったほうが正確かもしれません(笑)。
特に若い調査官はその傾向が強いといえます。ベテラン調査官は、全体の事実関係をきちんと把握したうえで税務上の問題があるかどうかを判断しますが、経験の浅い調査官は手柄を上げることに必死で、なんとか上司に褒めてもらおうと都合のいい部分だけをすべての事実と勘違いして内部に報告するといった具合です。
そんな事案においては、前述の「重審」で事案が独り歩きし、税務署のトップである署長、副署長までもがその気になり、調査現場では後には引けない状態になることが往々にしてあります。
ところが、最終的に税理士の猛反対をくらい不正事案として成り立たなくなり、結局、すべての事実をきちんと調査していなかったとして担当調査官が責められることになります。
調査官もたくさんの事案をこなして、一人前になっていきます。調査官の多くが経験する失敗のひとつがこのようなパターンです。
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それは、納税者のためならず国税組織のため(=課税の公平の実現)にもつながることなのです。
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