う~ん困った、客からの「領収書」の書き換え依頼・・・(飲食店)
割烹料理屋を営むクライアントから相談がありました。
たまに、お客さんから「領収書」の書き換えなどを依頼されるそうです。
よくあるのが、実際の人数より水増しして「○名様お食事代として」と記載する依頼だそうです。
これは、会社の「交際費」は、一定額以上は経費として認められないところ、1人あたり5,000円以下の飲食代については、そもそも「交際費」に含めなくてもよいという規定(租税特別措置法)があることと関係しています。
例えば、4人で24,000円の飲食をすれば、1人あたり6,000円となり、税務上「交際費」として扱われます。
しかし、人数を1人増やして5人で飲食をしたことにすれば、1人あたりの飲食代は4,800円となり「交際費」に含めなくてよいこととなります。
会社は、税金コストをなるだけ軽減するために、経費にならない「交際費」の予算(上限)を設けます
「交際費」に含められると、損金(法人税を計算する上での必要経費)の算入に一定の制限がかかるからです。
とはいえ、営業マンにはある程度の接待は必要不可欠であるため、予算枠を超えてしまった場合には、飲食店に依頼し、人数を水増しして領収書を作成してもらい「会議費」などとして処理するのです。
私が、現職の調査官だった時代には、税務調査の際に1人あたり5,000円以下の飲食代で「交際費」として処理していない領収書を100枚程度抽出し、その領収書を切ったすべての飲食店に対し「照会文書」を送付し、その飲食に係るレジのジャーナルペーパーまたは伝票を提出するよう指示したことがあります。
一種の反面調査ですね。
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これにより飲食した本当の人数が把握することができるのです。
ちなみに、その調査では、約3割程度の領収書の人数が水増しされていたという驚くべき結果になったのを覚えています。
飲食店の立場では、お客さんの依頼を無下に断ることもできないのはよくわかります。
しかし、それにより不正加担していることを意識すべきです。
なかには白紙の領収書をくれと言うお客さんもいると思いますが、これについてはきっぱり断ってください。
最悪、それを悪用してどこかの会社の経費になった飲食額が、まわりまわって領収書を切った店の売上の計上漏れとして認定されることにもなりかねません・・・。
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