匿名相談 ~うちの会社の脱税を告発したい~

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渡邊 崇甫税理士(元国税局 調査官)
公開日:2016年6月14日

今朝、事務所に匿名で電話がありました。

会社に勤務している方で、経理を担当しているそうです。

内容は、勤務先の会社の脱税を税務署に通報したいというものです。

なんでも海外の子会社と業務委託契約を締結し、架空の業務委託手数料を支払っているようです。

それを通報するのにどのような証拠を税務署に送ればよいのか分からないそうです。

脱税という不正な行為を見て見ぬふりをすることができず、どうせ通報するなら「有効な通報をしたい」ということのようです。

どうも直接税務署に聞くには、敷居が高いようですね(笑)

ちなみに、そのような場合は、業務委託契約書そのものではなく、次のような事項が確認できる資料が不正行為を具体的に裏付ける有効な証拠となります。

・架空の業務委託契約を締結する目的
→ 例:子会社の財務支援、簿外資産の蓄財、架空経費計上による所得圧縮(=単なる脱税)

・子会社は実際には何の活動もしていない事実(役務提供の事実がないということ)

・送金額がプールされ、簿外で管理されている事実(あれば・・・)

・資金還流の事実(あれば・・・)

当局がこれらの事実を把握すれば、会社の逃げ道が完全にふさがれます。(厳密には主張の仕方次第では、簿外資金管理以外の資料ではまだ交渉余地がありますが、普通に考えるとアウトでしょう・・・)

例えば、メールのやり取り、指示されたメモ紙、簿外資金の管理資料などです。

具体的な証拠がなければ、質問者自身が架空の業務委託契約と判断した経緯などを時系列に整理すれば、それだけで有効な資料となります。

仮にそれら資料がなくても、「○社は、○国の子会社に架空の業務委託手数料を支払っている」という内容の通報をするだけでも、当局にとって十分価値のある情報となります。

その通報により、税務調査の際には、その業務委託手数料の適否が徹底的に調べられることになります。

業務委託に係る成果物の提示、現地とのメールのやり取りなど子会社が活動している証拠、その業務がどのように会社に役立っているか、どのような必要性により業務委託契約を締結したか(経緯)、委託料の算定根拠はどうか、・・・・などなど・・・

通常、簡単に答えられるはずの質問が、架空の契約では回答が嘘で塗り固められ、そのうち矛盾を指摘されて自供に追いやられます。

調査官は調査のプロですからその辺りの抜かりはありません。通報により確信が持てれば、架空の業務委託手数料を見破るのはそんなに難しいことではありません。

社員による内部告発により、脱税が暴かれる事例は年々増えています。

経営は常に誰かに監視されていると考えたほうがいいでしょう。

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【注意】

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具体的な通報は、上記の記事を参考に税務署または国税局に直接行ってください

 

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