当社は建築業(主に解体工事)を営んでいる年商約3億円の会社です。
同業者に税務調査が入り、多額の税金を追徴されることになったようです。
当社も、昔取引のあった下請業者の領収書を偽造して架空の外注費を計上しています。
そのうち税務調査が入らないか、とても不安な日々を過ごしています。
架空の外注費は、プロの調査官にかかれば、簡単に見つかるものでしょうか。
ちなみに、架空の外注費は年によって違いますが、多い年で800万円ほど計上しています。
建設業に対する税務調査では、工事原価(特に外注費)の適否について重点的に検証されます。
理由は、業種的に架空の外注費を計上する不正パターンが多いからです。
「外注費」の適否を検証する場合、調査官は以下のように「人・もの・金」に着眼した調査を進めます。
- その外注費は誰に支払ったものか(人)
- その外注先(下請先)は実在するか?税務申告しているか(税務情報)?(人)
【参考】調査事案の選定(その3)~KSKシステムとは~
- その外注先と連絡は取れるか、反面調査は可能か(人)
【参考】税務調査の実態(その4)~反面調査~
- その外注先は業務を遂行する能力はあるか(人)
- その外注費の具体的内容(作業内容)はどのようなものか(もの)
- 領収書だけでなく、請求書や見積書は保存されているか(もの)
- その外注先は、現場で実際に作業をしていたと認められるか(人・もの)
- その現場の収支状況はどうか(もの)
赤字工事:原価の過大計上が疑われる
- その外注費は、「現金払い」か「銀行振込」か(金)
現金払い:お金の動きが見えないため、実際に支払いがあったかどうか疑われる
銀行振込:振込先口座の入出金状況や真の口座管理者は誰であるかなどの検証(銀行調査を伴う)
- 支払額は、相場からして妥当か、どのように算定されたか(金)
- 会社の簿外資産が蓄積されていないか(金)
【参考】売上除外した資金を借名口座にプールしていた事例(BS面から展開する税務調査)
以上の調査項目を経て、架空の外注費が見つからない可能性は極めて低いと考えられます。
業種や事業規模からして、調査対象に選定される可能性が高いように考えられます。
自主的に修正申告をすれば、加算税の減免に有効です。
【関連記事】 ⇒ 附帯税(加算税・延滞税)の種類と概要について
税理士とよく相談し、早めに対応すべきだと考えます。
【関連記事】 ⇒ 業種別の調査ポイント(その1)~建設業~