「総合調査」とは、総合調査担当の特別国税調査官（「特官（とっかん）」と呼んでいます。）により行われる調査で、一族で経営する会社（同族法人）の「法人税」及び社長一族の「所得税」、「相続税・贈与税」を総合的に検証する調査のことをいいます。
ところで・・・税務署の組織は税目による縦割りの所轄構造になっています。
- 個人課税部門：個人事業主の税務調査を担当（担当税目：所得税）
- 法人課税部門：法人（株式会社など）の税務調査を担当（担当税目：法人税）
- 資産課税部門：相続税、贈与税に関する税務調査を担当（担当税目：相続税、贈与税）
一族で経営する会社（同族法人）に関する税務については、会社の「法人税」、社長一族の「所得税」、社長一族間の「相続税・贈与税」がそれぞれ別個に存在するわけではありません。
資金の移動について相互に関連性をもっているため、それぞれの税目ごとに分離して課税の適正を評価するのは適切ではありません。
そこで、税目ごとの縦割りの所掌を排除して、各税目について横断的・総合的・複眼的な視野で検証を行うのが「総合調査」の趣旨です。
したがって、「総合調査」を担当する調査官は、各税目の専門職員（調査官）を集めた一種のプロジェクト・チームで編成されいています。
「総合調査」を行うことにより、従来の個々の税目ごとの調査では断片的だった情報が関連性を持ち課税するための有用な情報になります。
案件によっては、国税局の資料調査課の調査より厳しい調査となります。
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