税務監査で発覚した「横領」

6月に入って始まった某クライアント企業の「税務監査」で、どうも不審な支出があることに気付きました。

「税務監査」とは、税務当局が行う「税務調査」ではなく、我々税理士が企業の依頼に基づき税務上の処理が間違っていないか監査することを言います。つまり、自主的に行う模擬的な税務調査といえます。

不審な支出とは、その会社の社内コンピュータ・システムの改新ためのプロジェクトにおいて計上された費用の中で確認されました。そのプロジェクト関連支出総額(予算1.5億円)の中に役務提供を受けた形跡のない支出約400万円が紛れ込んでいたのです。

横領ですね・・・・

請求書に「要件定義の確定作業」「システム間の関連性・再構築設計」と2つの項目が記載されているだけで、見積書はありません。作業内容を示す報告書もなく、誰がいつどのような役務提供をしたのか全く見えない取引でした。

社内ルールで500万円以上の支出先についてはその会社情報を調べることになっていますが、今回はそれ以下の金額なので会社情報もほとんどなく、その会社のHPもなく、請求書の所在地は郊外の住宅地にあるアパートらしき建物になっていました。(グーグルマップ・ストリートビューは本当に役立ちます・・(^▽^))

その時点で、当プロジェクトの責任者である情報システム部の担当課長とヒアリングを行い、発注経緯、業者選定経緯、会社の概要、役務提供内容などについて聴取しましたが、一切黙秘を続けました。横領したことを認めたに等しいリアクションです。

昨日、この件につき、クライアントの総務・人事部にそれまでの監査の経緯を報告しました。その後の対応については会社判断となります。

我々としては、今後はその課長が関連した別のプロジェクトについて粛々と精査していくことになります。

内部告発でよく発覚する横領ですが、税務監査で発覚することも珍しくはありません。

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元国税調査官の税理士:渡邊 崇甫

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