税務調査は、税務署という「組織」で行っており、現場に訪れる調査官だけで行っているのではありません。調査に訪れる調査官は、担当調査官としてその事案を担当しますが、税務調査の進行の都度、上司である統括官に経過を報告します。
まず、準備調査の段階では、担当調査官は、調査により確認すべき事項を自分なりに抽出し統括官に報告します。
「直近3年間の申告書を分析したところ、○○の点に問題があると思われます」
「資料せんと申告書とを照合したところ、○○が整合しませんので確認が必要です」
それに対して、統括官は担当調査官の判断が適切かどうか判断し、補足や修正すべき点を指摘します。
調査が始まり、調査先の会社から調査官が戻ると、こんどは現場での調査の経過を報告します。
・準備調査で抽出した問題点の解明結果
・現場で見聞きした新しい情報から把握した問題点の有無
(見た書類、確認した事実 それらから導き出される問題点)
報告を受けた統括官は、調査の不足する点がないかその報告を基に判断し、指示を出します。
大きな問題点が想定される場合は、審理担当者も巻き込んで税法のリーガルチェックをすることもあります。
このように担当調査官は、調査経過を常に統括官に報告し、それに対する指示を受けます。統括官の調査切り上げの判断がなされるまで調査は継続します。
お尋ねの場合、調査1日目が終わり税務署に帰った調査官が、その日に確認したことを統括官に報告したところ、統括官はかなりの調査不足があると判断したようです。
特定の取引の内容について後日、ピンポイントで確認することはよくあることですが、総勘定元帳や関係書類一式の提出を後日、会社に求めてくるのは、レアケースであり、調査を初めからやり直すような状況だと考えられます。
通常、調査着手して1週間もたつと、帳簿調査から抽出した不審な取引について反面調査や銀行調査を実施する次のステージに進んでいる時期です。貴社に来た若い調査官はまだ調査に不慣れで、統括官の指示を消化してそれを実行することが十分にできていなかったのだと思われます。
若い調査官が調査にやってくると、その後ろに控える統括官が、その若い調査官を通じて間接的に調査を担当しているようなものですから、調査が長引く傾向にあります。
現場で行われる事実上の交渉がやりづらい点も調査を長引かせる原因となります。(若い調査官の指導のためには、ベテラン調査官が行う現場の交渉(=裏技的な技法)はなるべく避けるようにします。)
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