立場変われば景色も変わる
クライアントから買収予定企業の会計-税務監査をしてくれとの依頼がありました。
クライアントがその買収予定会社(仮にA社とします)の社長兼オーナーからA社株式を買い取るのですが、その価格算定のために、A社の過去の決算書の数字が適正かどうかを確かめてほしいという依頼です。
というのも、A社の社長が、決算書の数字は税金対策のため利益をかなり低く抑えており、本来の収益力を反映していないと主張していたのです。
果たして、実際にA社に臨場し、関係書類を見てびっくりしました・・・。
別の会社を設立して架空の業務委託手数料を計上
個人的な経費を交際費、会議費、旅費に付け込み
自分の趣味の車の改造代金を全く違う名目で請求書を発行してもらい外注費で計上
ちょっと見ただけで不正のオンパレードです。
A社の社長は、「へぇ~、さすが元調査官ですね~。おっしゃるとおり、全部脱税行為ですわ。それが無かったとしたら、本当はもっと利益で出ますでしょ!」と、こちらの指摘をことごとく認めるのです。
調査時代には、こんなにいとも簡単に不正計算を認める社長に出会ったことはありませんでした。そりゃそうですよね、私にはあれもウソ、これもウソと実際の経費はもっと少なく、その分本当の利益はもっと多いと言いたいのですから(笑)。
正当な経費についても、「それも私費の付け込みですわ」と言っているようで、途中からなんとなくハメられているような気さえしてきました。
最後のあたりは、「社長、これは正当な会社の経費でしょ!」「いえいえ、それも架空の経費ですわ。」と税務調査におけるやり取りとは全く逆の立場での言い争いになる始末です。
結局、クライアントに対する報告書には、社長が主張する個人的経費の付け込みについては約半分程度しか認めませんでした。
そして、次回、税務調査ではかなりやられるはずで、潜在的な未払税金が多額にのぼる旨を言い添えておきました。
こんな立場で税務調査ができたら調査官はきっと楽だろな・・・・と不思議な感覚を覚えた一日でした(笑)
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