居住者と非居住者の判定

国際税務に関する相談が最近増加しています。少し前までは多くの相談が法人の海外取引に係る税務リスクについての評価・対策に関するものでしたが、最近は非居住者に係る日本国内における課税リスクに関する問い合わせが増えてきています。

日本における課税関係を検討する際に、法人の居住地の判定が問題になることはあまりありません。日本における租税法の適用上、内国法人と外国法人の区分は明らかであるからです。法人の居住地を判断する上でいくつかの基準が存在しますが(注)、日本では国内に本店所在地がある法人は内国法人として取り扱ういわゆる「本店所在地国基準」が採用されています(法人税法第2条第3号)。

ところで、日本で設立される法人は国内に本店住所を登記する必要があることから、結局、日本の法律に基づいて設立された法人はすべて内国法人に該当することになります(実質的に設立準拠法規準と同じ基準による判定がなされています。)。実務面でも、単純に「日本に本店登記がある法人」=「内国法人」という取扱いがなされています。したがって、内国法人と外国法人(内国法人以外の法人:法人税法第2条第4号)の区分が問題になることはほとんどありません。

(注)法人の所在地判定の基準は以下のものがあります。

  • 本店所在地基準:自国に本店を有する法人を内国法人とする基準
  • 設立準拠地基準:自国の法律に基づいて設立された法人を内国法人とする基準
  • 管理支配地主義:自国の国内で実質的な管理支配がなされている法人を内国法人とする基準

一方、自然人である人の居住地判定は単純ではありません。日本の租税法の適用上、1年以上日本にいれば自動的に居住者になりますが、それ以外でも日本に「生活の本拠」(=「住所」)があれば居住者となります。この生活の本拠が日本にあったかどうかの判定が白黒はっきりしないケースが多くあります。世間の注目を集めた武富士事件はまさに相続を受けた親族の「生活の本拠」がどこにあったかが争点となった裁判でした。この生活の本拠がどこにあったかは、以下のことを総合的に判断して判定するのが通説になっています。

  1. 住居がどこに所在するか
  2.  どこで職業に就いているか
  3.  生計を一にする配偶者等の親族の居所がどこにあるか
  4.  資産がどこに所在するか

ただ、いったん税務調査のプロセスの中で生活の本拠が問題となった場合、税務署側は日本における課税権を守る立場から物事を判定するため、「生活の本拠は日本にある」というバイアスがかかった目で総合判断する傾向があるため、納税者側のきわめて妥当な主張を安易に受け入れてくれないことがあります。

居住者・非居住者に関する判定において、課税リスクを回避するためには、問題点となりそうな項目をすべて洗い出して整理し、それをひとつひとつつぶしていく地道な作業が必要となります。国際課税に関するマネジメントは一朝一夕ではできません。​

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