グローバル企業の誘致合戦 ~歪められた課税関係~
本日(H29.10.5)、欧州委員会がルクセンブルク政府に対し、ネット販売大手のアマゾンに対して違法な税優遇を与えたとして、それを取り戻すために同社に2.5憶ユーロ(約330億円)の追徴課税するように指示したとの報道がなされました。
昨年、欧州委員会はアイルランド政府に対しも同様にアップル社に対する130憶ユーロ(約1,700億円)の違法な税優遇を認定したところです。
現在、世界各国はOECDを中心としてBEPS(税源の浸食と利益の移転)対策を世界共通の課題として各国共同して取り組んでいるところです。
その一方で大企業の誘致のために違法と認定されるほどに本来の課税関係を歪めて特定の企業に特典を与えている国が存在するとは、世界の公益を犠牲にして自国を潤しているのと同じです。
ルクセンブルクもアイルランドもOECD加盟国です。
企業が利益追求のために税金コストを最小化するためのスキームを考えることは当然のことです。
ただ、所得が実質的に発生している国から税率の低い国に不合理に所得を移転させるようなスキームは本来の課税関係(関係各国の課税権の分配)を歪めていることから看過することはできません。
その対策を講じるためには各国が目先の自国の課税権を確保することより優先してOECDが策定した共通のルール(BEPS対策行動指針など)作りのために足並みをそろえて取り組まなければならないということは自明のことです。
近年、自由貿易を長年推進してきた先進国が保護主義に傾倒する向きでてきたと危惧されています。課税権の分配ルールについても貿易と同じような潮流にならないことを祈るばかりです。
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