吉本芸人の脱税騒動・・・不正計算はどこにある?

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渡邊 崇甫税理士(元国税局 調査官)
公開日:2019年10月27日

吉本興業に所属する漫才コンビ「チュートリアル」の徳井義実さんの脱税について、マスコミが大きく取り立てています。

東京国税局の調査を受け、直近3年間の「無申告」、その前4年間については申告はしているが利益を意図的に過少に計上する、いわゆる「所得隠し」があったようです。

2016~2018年(3年間) 1億円 無申告

2012~2015年(4年間) 2,000万円 所得隠し

7年間で合計1億2,000万円の所得もれに対し、3,400万円(税率を掛けた後の金額)の追徴課税があったようです。

通常、税金を過去に遡って課税する場合、5年前までが限度になりますが、不正計算があった場合に限り7年間遡って課税することができます。今回の徳井さんの場合、7年遡及されて課税されていることから不正計算があったと当局に認定されたこととなります。

報道によりますと、遡及期間4年~7年にあたる2012~2015年における2,000万円の所得隠しの内容は、個人的な費用(衣料品、旅行代)を個人事務所の経費に付け込んだというものでした。一般に個人費用を法人の経費に付け込んだこと自体は、不正計算と認定されません。不正計算とは、白紙の領収書に金額だけ書き込み、それを経費にするなどのいわゆる「架空経費」を計上した場合などに認定されるものであり、徳井さんのケースのように経費性(それが個人事務所の経費になるかどうか)の適否によりそれが認められなかったような場合は、その否認対象となった処理は不正計算に該当しません。

なぜ徳井さんのケース(個人的費用の付け込み)が不正計算と認定されたのか、報道内容だけからは理解できません。これだけ大きく報道し、専門家(税理士)のコメンテーターが解説しているのであれば、徳井さんが批判にさらされるのは仕方がないとしても、課税関係の疑問点についても、これら専門家はコメントするべきだと思います。課税庁(税務署や国税局)の勇み足によって、税法の規定により本来課税できないにもかかわらず、課税している事例もあるのですから・・・

とはいえ、徳井さんの納税意識はかなり低いようです。個人事務所の過去の申告は期限内に手続きを済ますことがほとんどなく、無申告のまま放置し、数年後に数年分をまとめて期限後申告するのが実態だったようで、更には申告したにもかかわらず納税を放置し、徴収担当部門から財産の差押えを受けたこともあったようです。

きちんとルールを守って申告し、納税する。これが一番の節税だということをわかっていただきたいと思います。

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元国税調査官の税理士:渡邊 崇甫
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