領収書を紛失したものを経費として落とすことは可能か?

個人事業主です。

領収書を紛失したものを経費として落とすことは可能でしょうか?

仕事で使うパソコンの領収書を紛失してしまいました。

購入日、購入した店、金額はメモ書きとして記録しています。

保証書はあります。

個人事業を営んでいれば、事業所得が生じますので、所得税の確定申告をすることになります。

事業所得の計算上、経費に算入できる費用は、原則として領収書などの証ひょう類(支出の内容を証明する書類)を保存しておく必要があります。

それは、税務調査が行われたときに経費性を証明する自己防衛のためであり、証ひょう類の保存がなければ、絶対に経費に認められないかというと必ずしもそうではありません。

税務署の調査官目線でいうと、調査先の個人事業主が計上した経費に領収書などの証ひょう類が保存していない場合、それだけの理由でその経費算入を否認することはできません。

要は、領収書などの証ひょう類の保存がなくても、その支出が実際に行われていたことを間接的にでも証明できれば、経費性は認められます。

例えば、今ではあまりないかもしれませんが、業務のために切符を買って電車に乗ったとします。近距離切符を買っても券売機で領収書は発行されません。この場合、領収書がないから経費に認められないかというとそうではなく、日付、金額、移動区間、移動目的などをメモ書きにして保存していれば、経費性は認められます。

逆に調査官がこの切符代を否認しようとすれば、その事実(電車に乗った事実)がなかったことを証明しなければなりません。

ご質問の場合、購入したパソコンが現に存在し、購入日、購入店、金額をメモしており、保証書もあれば、パソコンの購入が実際にあったことを間接的に証明していることとなります。逆に調査官がそのパソコン購入費の経費性を否認するためには、その事実(パソコン購入の事実)がないことを証明しなければなりません。

究極的には販売店に問い合わせれば、その事実は証明されるわけですから、調査官に分がないといえます。

ちなみに、消費税の計算は、受け取った消費税から支払った消費税を差引いた金額を税務署に納めることになりますが、支払った消費税を差引く(これを「仕入税額控除」といいます)際には領収証などの書類の保存が要件となっています。

ご質問のケースでは、領収書の保存がないため消費税の計算上は仕入税額控除の適用を受けることはできません。(もちろん領収書の再発行等の手続きをすれば仕入税額控除は可能です。)

 

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元国税調査官の税理士:渡邊 崇甫
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このQ&Aの回答者

渡邊 崇甫税理士(元国税局調査官)
これまでの経歴
  • 国税局 調査第一部 国際調査課
  • 国税局 調査第一部 特別国税調査官
  • 国税不服審判所(本部)
著書

元国税の税理士だから
税務調査対策が万全

専門性の高い国税職員経験を
活かした万全な対策。