適格組織再編成に該当すれば資産等に関する譲渡損益の繰延べ特例は強制的に適用される?

適格組織再編成が行われると、それにより移転する資産等については譲渡損益を繰延べることとなりますが、これは、強制的に譲渡損益を繰延べなくてはならないということでしょうか?
譲渡損益を認識するかしないかについて有利な方を選択できるという訳ではないのでしょうか?

例えば譲渡損が生じている場合には譲渡損を認識する方が税務上有利となりますが、適格組織再編成に該当すれば、有利な方を選択することによりこの譲渡損を計上するということはできないのでしょうか?

適格要件を充足し、適格組織再編成に該当する以上、強制的に譲渡損益の繰延べ特例が適用されることとなります。

○ 適格組織再編成に係る譲渡損益の認識の繰延べについて

組織再編に伴い資産が移転する場合、組織再編とはいえ別法人に資産が移転する以上、原則的にはそれにより生じる譲渡損益について課税されることとなります。しかし、その組織再編が「適格組織再編成」に該当すれば、それにより移転する資産の譲渡損益については、課税を繰り延べる措置が適用されます。基本的な考え方は、移転資産に対する支配が組織再編後も継続していると認められる場合(=適格組織再編成)には、課税関係上も継続性を保ち移転資産の譲渡損益に対する課税を留保することとしたものです。

そして、その組織再編成が適格組織再編成に該当するか否かは、各組織再編の類型ごとに定められた「適格要件」を満たしているか否かにより判断されることとなります。

○ 譲渡損益の繰延べ特例の適用について

なお、適格組織再編成に係る譲渡損益の繰延べという課税の特例については、納税者の意思により選択適用できるのではなく、適格要件を満たす限り、当該課税の特例が強制的に適用されます。
したがって、例えば、非適格の組織再編成として移転資産に係る譲渡損を計上したものの、税務調査により適格要件を満たしているとの事実認定がなされた場合、当該譲渡損の損金算入は否認されることとなります。すなわち、適格要件を充足するとの事実認定が当該譲渡損を否認する更正理由となるわけです。

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元国税調査官の税理士:渡邊 崇甫
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このQ&Aの回答者

渡邊 崇甫税理士(元国税局調査官)
これまでの経歴
  • 国税局 調査第一部 国際調査課
  • 国税局 調査第一部 特別国税調査官
  • 国税不服審判所(本部)
著書

元国税の税理士だから
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