社債等を交付する場合でも、新設会社の株式を交付しないという選択はできません。つまり、株式の交付は必要で、加えて社債等の交付も可能(任意)ということです。
もし、新設会社の株式交付を不要とすると、新設会社の株主が不在になってしまいます。
会社法の条文も、まず、新設会社による株式の交付については「交付する・・・株式の数」と規定し、交付が必要であることを前提とした規定になっています(会社法753条1項6号)。他方で、社債等については「社債等を交付するときは」という規定になっていて、こちらは交付自体は任意と読めます(753条1項8号)。
会社法
第七百五十三条 二以上の会社が新設合併をする場合において、新設合併により設立する会社(以下「新設合併設立会社」という。)が株式会社であるときは、新設合併契約において、次に掲げる事項を定めなければならない。
第1号~第5号略
六 新設合併設立株式会社が新設合併に際して株式会社である新設合併消滅会社(以下「新設合併消滅株式会社」という。)の株主又は持分会社である新設合併消滅会社(以下「新設合併消滅持分会社」という。)の社員に対して交付するその株式又は持分に代わる当該新設合併設立株式会社の株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)又はその数の算定方法並びに当該新設合併設立株式会社の資本金及び準備金の額に関する事項
第7号略
八 新設合併設立株式会社が新設合併に際して新設合併消滅株式会社の株主又は新設合併消滅持分会社の社員に対してその株式又は持分に代わる当該新設合併設立株式会社の社債等を交付するときは、当該社債等についての次に掲げる事項
イ 当該社債等が新設合併設立株式会社の社債(新株予約権付社債についてのものを除く。)であるときは、当該社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法
ロ 当該社債等が新設合併設立株式会社の新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを除く。)であるときは、当該新株予約権の内容及び数又はその算定方法
ハ 当該社債等が新設合併設立株式会社の新株予約権付社債であるときは、当該新株予約権付社債についてのイに規定する事項及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権についてのロに規定する事項