債務超過の100%子会社の吸収合併

債務超過の100%子会社を無対価で吸収合併する場合の仕訳について教えてください。

子会社のBSが、資産100、負債150、純資産△50
親会社は子会社株式を帳簿価額10にて所有していたとします。

この場合、「のれん」の計上は必要でしょうか?

もし、「組織再編税制」について解りやすい解説書があれば合わせて教えてください。


ご質問の合併は、税務上の適格合併に該当します。また、会計上は「共通支配下の取引」に該当し簿価による資産移転が行われます。

会計仕訳
(借方)資産100、抱合株式消滅損60

(貸方)負債150、子会社株式10

税務仕訳

(借方)資産100、利益積立金額60

(貸方)負債150、子会社株式10

税務調整

(借方)利益積立金60 (貸方)抱合株式消滅損60

 別表4にて抱合株式消滅損60を加算することとなります。

会計上、「共通支配下の取引」(グループ内の組織再編成)の該当するため「のれん」は認識されません。税務上も適格合併のため「資産調整勘定(税務上の「のれん」)」は認識されません。

組織再編税制についての解説本についてはいろいろありますが、丁寧に解説している本として(↓)をお勧めします。

「図解詳解・組織再編税制」 http://www.skattsei.co.jp/search/051485.html

 

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元国税調査官の税理士:渡邊 崇甫
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このQ&Aの回答者

渡邊 崇甫税理士(元国税局調査官)
これまでの経歴
  • 国税局 調査第一部 国際調査課
  • 国税局 調査第一部 特別国税調査官
  • 国税不服審判所(本部)
著書

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