節税対策のため子会社を設立したい・・・代表者が同じなら税務署ににらまれる?

法人を立ち上げて3度目の決算に入ってます。
お陰さまで、今年は大きなの利益が出そうです。
そこで、節税対策として親会社(現在の会社)への材料納入のための新会社設立を検討しています。その場合、新会社の代表取締役を現法人の代表取締役と同一人物にしたら、税務当局は節税目的の会社として否認するのでしょうか?

「代表者」の名義により税務上、取引が否認されることはありません。

むしろ、「株主」に着目した課税関係の特例はあります。

例えば、個人「甲」がA社とB社の株式をそれぞれ100%所有していたとすれば、A社とB社は完全グループ内の企業として扱われ、両社間の取引に「グループ法人税制」が適用されます。その際、両社間による通常の商品や製品(棚卸資産)の売買取引やサービスの提供に係る取引については、特別の扱いはなされませんが、例えば、一定の固定資産の譲渡などについては譲渡損益を繰延べる特例が適用されます。

【参考】グループ法人税制の諸規定の概要

グループ法人税制の主な規定は次の通りです。
(1)譲渡損益調整資産のグループ内譲渡損益の繰延べ
譲渡時は譲渡損益の計上を繰り延べ、譲受法人がその資産を他の法人に譲渡した場合等に譲渡損益調整損益を計上

(2)グループ内における寄付金、受贈益
グループ内寄付金は全額損金不算入、受贈益は全額益金不算入
ただし、個人株主を頂点とする100%子会社間においては適用されません。

(3)受取配当金の益金不算入額
完全子法人株式等からの配当金は、負債利子を控除せずに全額益金不算入

(4)みなし配当が生ずる事由により金銭その他の資産の交付を受けた場合
みなし配当のみ発生し、株式の譲渡損益は発生させない(譲渡対価と譲渡原価を同額とみなす)

(5)残余財産が確定した場合の未処理欠損金の引継ぎ
残余財産が確定した法人の未処理欠損金は、その法人の株主である法人の欠損金とみなして、欠損金の繰越控除を適用する

(6)現物分配
現物分配法人:帳簿価額で譲渡したものとし、移転した資産の譲渡損益を認識しない
被現物分配法人:資産は現物分配法人の帳簿価額で引継ぎ、移転を受けたことによる収益は、益金の額に算入しない

(7)中小特例の判定基準
その法人の期末の資本金の額が1億円以下でも、資本金の額が5億円以上の法人の100%子会社には、下記の中小特例が適用されない

  • 軽減税率
  • 特定同族会社の特別税率の不適用
  • 交際費等の損金算入の特例
  • 貸倒引当金の法定繰入率
  • 欠損金の繰戻しによる還付

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元国税調査官の税理士:渡邊 崇甫
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このQ&Aの回答者

渡邊 崇甫税理士(元国税局調査官)
これまでの経歴
  • 国税局 調査第一部 国際調査課
  • 国税局 調査第一部 特別国税調査官
  • 国税不服審判所(本部)
著書

元国税の税理士だから
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