B社の信用度がスプレッド0.7%、X国通貨の同期間による金利スワップレートが7%であれば、B社の同条件によるX国通貨の資金調達レートは7%を超えるものと考えられるため、移転価格税制を適用する上で3%による親子間の貸付けは独立企業間価格に満たないものと認定されるでしょう。
具体的には、B社の第三者からの調達金利が算定できる情報があるため、それを独立企業間価格(金利)として適用し、当該独立企業間価格(金利)と実際の貸出金利との金利差について、A社は取得したものして税務上取り扱われることとなります。下記参考2-7(1)に該当
独立企業間価格(金利)=7%+0.7%=7.7%
実際の貸出金利との金利差=7.7%-3%=4.7%
貸付元本額×4.7%・・・A社の所得過少額(流出加算)
【参考】移転価格事務運営要領
独立価格比準法に準ずる方法と同等の方法による金銭の貸借取引の検討)
2-7 法人及び国外関連者がともに業として金銭の貸付け又は出資を行っていない場合において、当該法人が当該国外関連者との間で行う金銭の貸付け又は借入れについて調査を行うときには、必要に応じ、次に掲げる利率を独立企業間の利率として用いる独立価格比準法に準ずる方法と同等の方法の適用について検討する。
(1) 国外関連取引の借手が、非関連者である銀行等から当該国外関連取引と通貨、貸借時期、貸借期間等が同様の状況の下で借り入れたとした場合に付されるであろう利率
(2) 国外関連取引の貸手が、非関連者である銀行等から当該国外関連取引と通貨、貸借時期、貸借期間等が同様の状況の下で借り入れたとした場合に付されるであろう利率
(3) 国外関連取引に係る資金を、当該国外関連取引と通貨、取引時期、期間等が同様の状況の下で国債等により運用するとした場合に得られるであろう利率
(注)
1 (1)、(2)及び(3)に掲げる利率を用いる方法の順に、独立企業原則に即した結果が得られることに留意する。
2 (2)に掲げる利率を用いる場合においては、国外関連取引の貸手における銀行等からの実際の借入れが、(2)の同様の状況の下での借入れに該当するときには、当該国外関連取引とひも付き関係にあるかどうかを問わないことに留意する。