海外子会社との取引価格・・・子会社に利益が残るように取引価格を設定したい

海外子会社との取引価格に関して

昨年、当社(Pとします)が海外に販売子会社(Sとします)を設立しました。その子会社Sとの取引について質問です。
PからSに輸出した製品をSが現地で販売して利益を上げます
Sを自立させる為には、粗利益20%ぐらいの利益が出ないとトータルでは赤字になると予想されます。Pの利益なしでSに輸出したとするとSの粗利益率はちょうど20%ぐらいになると見込んでいます。当初、Pは実費ベース(利益ゼロ)で海外子会社Sに輸出を行い、後のSの経営実績や規模を見ながら調節しようかと考えています。

このような価格の決め方に問題はあるでしょうか?

まさに「移転価格税制」が問題となる典型的なケースだと思われます。

基本的にはその輸出財を第三者に輸出した場合に付される価格を親子間取引でも採用しなくてはなりません。この第三者間の取引価格を「独立企業間価格」と呼んでいます。

「独立企業間価格」を算定するためにその取引と比較しうる類似取引が見つからない場合は、グループ内利益をその利益を獲得するために貢献した割合に応じてシェアする価格の決め方などもあります。これもれっきとした「独立企業間価格」となります。少なくとも、ご質問にあるように現地の利益を残すことから逆算して決められた輸出価格は「独立企業間価格」には該当しません。

税務調査実務においては、「移転価格税制」の適用は独立企業間価格の算定が困難であるため、Sへの寄附金を認定する否認理論を考えてくることが想定されます。

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元国税調査官の税理士:渡邊 崇甫
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このQ&Aの回答者

渡邊 崇甫税理士(元国税局調査官)
これまでの経歴
  • 国税局 調査第一部 国際調査課
  • 国税局 調査第一部 特別国税調査官
  • 国税不服審判所(本部)
著書

元国税の税理士だから
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