源泉所得税の控除額の計算は、「扶養控除申告書」を会社に提出しているかどうかで異なります。
勤務先が複数ある場合、「扶養控除申告書」はそのうちの一箇所にしか提出できません。「扶養控除申請書」を提出している会社が主たる給与の支払者となり、当該主たる給与の支払者により社会保険料が天引きされ、年末調整される事となります。
「扶養控除申告書」の提出がある場合、源泉徴収税額表の「甲欄」が適用され扶養家族の数に応じた源泉所得税が控除されます。最低徴収額は社会保険控除後の額が88,000円の場合で130円となります。
一方、「扶養控除申告書」の提出が無い場合、「乙欄」が適用され、「甲欄」に比し高い額の源泉所得税が徴収されます。最低支給額は無く、給与の支給があれば必ず源泉徴額が発生することとなります。
お尋ねの場合、夜のバイト先に「扶養控除申告書」を提出していると考えると辻褄は合います。なぜなら、上記のとおり「扶養控除申告書」を提出していなかったら少額の給与でも源泉所得税が引かれるからです。うがった見方かもしれませんが、一般に給与を多くもらう方の会社に「扶養控除申告書」を提出するのが一般的であるので、仮にそうであった場合(昼のバイト先に「扶養控除申告書」を提出していた場合)、夜のバイト先は本来「乙欄」に従って少額の給与でも源泉徴収しなければならないところ、その義務を放棄(源泉徴収義務違反)しているのかもしれません。
複数の勤務先から給与を取得する者は、確定申告をすることにより、それぞれの勤務先からもらう源泉徴収票を合算してトータルの税金を清算することとなります。源泉徴収義務違反を犯している会社は源泉徴収票を社員に交付しないので、その場合は確定申告も行えず、結局、税金が未清算のままとなります(基本的に所得税の一部未納状態)。