非居住者が行う店頭外国為替証拠金取引(以下「FX取引」)に関する日本における課税関係についての質問です。
非居住者の場合、日本国内で生じた所得(国内源泉所得)があった場合、その所得のみ所得税の課税対象となります。(所得税法7①三)
また、「国内にある資産」の運用又は保有により生ずる所得は国内源泉所得に該当します。(所得税法161①二)
ご質問の内容からは必ずしも明らかではありませんが、FX取引を国内の金融商品取引業者を介して行っている場合、そのFX取引の未決済取引に係る契約上の地位は「国内にある資産」に該当するものと考えられます。したがって、FX取引の差金決済により所得が生じた場合は、その所得は国内源泉所得に該当に、日本における課税対象になると考えられます。
(関係法令、所得税施行令280①三、所基通161-12)
(参考:2019.03.25国税不服審判所裁決)
この場合、海外の口座で差金決済を行ったとしても、課税関係に影響はありません。
また、FX取引で得た所得については、居住者の場合、「先物取引に係る雑所得等」として、20.315%(所得税15%、地方税5%、復興特別所得税0.315%)の税率による分離課税となる特例が適用されますが、非居住者の場合はこの適用がなく一般の総合課税の対象として課税されることとなります。
税務署による以下の情報の入手が想定されますので、非居住者であっても課税逃れは困難だと考えられます。
- FX取引を扱う金融商品取引業者から収集する顧客の取引情報
- 国内金融機関の入出金情報
- 外国当局から自動的に提供される非居住者の預金情報(CRS)
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