日本-香港租税協定の施行

2012年1月から日本-香港租税協定の施行により、日本居住者が香港内で得た利子や株式配当には10%まで源泉徴収されるとの記事を見ました。

租税協定の施行により、今まで課されていなかった租税が発生することになるのでしょうか?

香港の内国法(特別行政区の法令)においては、非居住者が香港で稼得した利子・配当には税金を課さないこととしています。確かに日本-香港租税協定によれば、利子・配当は10%の源泉地国課税を認めていますが、租税条約の規定により国内法に定められた納税者の権利を不利に作用させることはないという租税条約の一般原則であるプリザベーション・クローズが適用されるため、日本-香港租税協定により新たな課税関係が創出されるものではありません。

【参考】

プリザベーション・クローズ(又はプリザベーションの原則)とは、国内税法上の租税に関する非課税(exclusion)、免税(exemption)、所得控除(deduction)、税額控除(credit)等の減免措置又は納税者にとって有利な国内税法上の規定を、租税条約の規定がそれら国内法上の特典を制限するものではないという原則をいいます。すなわち、国内法の規定を適用した方が租税条約よりも有利になる場合には、租税条約の規定ではなく国内法の規定を優先して適用することができることを意味します。

 

所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国政府と中華人民共和国香港特別行政区政府との間の協定(正式名称)

第11条第2項
利子に対しては、当該利子が生じた一方の締約者においても、当該一方の締約者の法令に従って租税を課することができる。その租税の額は、当該利子の受益者が他方の締約者の居住者である場合には、当該利子の額の十パーセントを超えないものとする

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元国税調査官の税理士:渡邊 崇甫
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このQ&Aの回答者

渡邊 崇甫税理士(元国税局調査官)
これまでの経歴
  • 国税局 調査第一部 国際調査課
  • 国税局 調査第一部 特別国税調査官
  • 国税不服審判所(本部)
著書

元国税の税理士だから
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