タックスヘイブン税制の概要について

タックスヘイブン税制は、税率の低い海外の国（タックスヘイブン国）に子会社等を設立し、その会社に日本で生ずべき所得を移転させることにより、日本における課税を逃れる租税回避行為に対処するために設けられています。

タックスヘイブン税制とは、内国法人又は居住者がタックスヘイブン国に設立した子会社について、その課税対象所得のうち、その内国法人又は居住者の持分に対応している金額をそれぞれの所得に合算して日本で課税するというものです。
たとえば、年間1億円の利益を出している内国法人があったときに、ペーパーカンパニーをタックスヘイブン国に設立し、その会社に経営指導料などとして8,000万円を損金（経費）として計上して、国内からタックスヘイブン国へ簡単に利益を移動することができます。 日本では2,000万円についてのみ課税され、タックスヘイブン国で計上される8,000万円はほとんど無税で済みます。タックスヘイブン税制の適用により、このタックスヘイブン国に移転させた8,000万円の所得も、日本の所得2,000万円に加算して合計1億円について日本で課税するというものです。