税務職員の「背番号」どのように決まる?
大学生向けの税法に関する講義をたまに担当させてもらっています。
受講生は、「国税専門官」試験の受験希望者も多いようで、講義後、よく国税の組織(税務署や国税局)に関連した質問を受けます。
よく受けるのは、仮に「国税専門官」として採用され、税務署に勤務することとなった場合、どの部署に配属されるかは、どのように決まるのか?という質問です。
多くの「国税専門官」希望の学生は、「法人税部門」で仕事をしたいと考えているようです。
税務職員は、最初に配属された部署(法人、個人、資産、徴収)が背番号として貼り付けられ、基本的に退職するまで同じ部署の仕事を続けることとなります。
【参考】
- 法人:法人課税部門 ⇒ 法人の税務調査(法人税の担当部署)
- 個人:個人課税部門 ⇒ 個人事業主の税務調査(所得税の担当部署)
- 資産:資産課税部門 ⇒ 相続税・贈与税の税務調査(相続税・贈与税の担当部署)
- 徴収:徴収部門 ⇒ 滞納税金の差し押さえなど(滞納整理の担当部署)
したがって、最初に配属される部署が、その職員の一生の仕事になるといっても過言ではないのです。だから、最初の配属が希望どおりだと大喜びしますが、希望以外だと大きく落胆する者もいるわけです。
ただ、この質問(配属部署の決定のしかた)に対する回答は、私には「よくわからない」ということになります。
私の経験では、採用された初登庁日の4月1日にそれぞれの国税局(全国に12の国税局・国税事務所があります)で同局採用の同期(新人)が一堂に集められ入庁のセレモニーがあります。
そして、その翌日には、千葉県船橋市(現在は埼玉県和光市に移転)にある税務大学校に入校し、約3ヶ月の研修を受けます。
ここには全国の国税局で採用された同期が一斉に集まります。私の場合、約900人の同期がいました。もちろんこの時点では、「背番号」はついていません。
税務大学校に入校して間もないころ、配属先の希望を申告する用紙に「法人、個人、資産、徴収」の中から第一から第三希望まで記入して提出させられました。
そして、その後、税大での試験がすべて終わり、3ヶ月間の研修が残り1週間となった時期に、各研修生に対し、「配属税務署」と「配属部署」の通知があったと思われます。
ひとりひとり、各班の教授に呼ばれて、それを告げられるのです。
この時の順番待ちの緊張感は、かなりのものでした。結果を知って、あからさまに喜んでいる者、見るからに悲壮感を漂わせ落胆する者・・・順番待ちの間、喜びや悲しみの悲鳴があちこちで聞こえてくるわけです。
なにせ、一生担当することとなる部署が決まるわけですから・・・。
この「配属部署」がどのように決まったかは、わかりません。
「国税専門官」採用試験の成績、簿記等の資格の保有状況、税大での試験の成績、税大で観察された性格的な適性・・・・などの諸要素をトータルで吟味したうえで、税大-人事部ラインが決定したのだとは思いますが、具体的なプロセスはわかりません。
希望通りの部署に配属させられた研修生はむしろ少ないほうだったかもしれません。
実際は、それぞれ現場に配属されたら、その配属先の部署の仕事を苦労しながらもそれなりに楽しんで習得し、皆その背番号の税目のプロフェッショナルになっていくものです。
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