夫婦間の預金振替えについて・・・贈与税はかかるか?

夫婦間の預金振替えについてです。
夫の名義の口座から妻の名義の口座へ預金を移した場合、贈与税は発生するのでしょうか?
例えば600万円の預金を移した場合どうなりますか?

その預金の移動が真に夫から妻への贈与であれば当然贈与税がかかることとなります。その場合

600万円×30%-65万円=115万円 の贈与税が生じます。

ただ、預金の移動は必ずしも贈与になるわけではありません。「貸付金」や「預け金」のケースもあり得ます。

資金移動が税務署に把握されるかどうかについては、預金の振り替えだけでは基本的に把握されないと思います。例えば、その移転資金を原資に妻が不動産を購入した場合等にはじめて税務署のアンテナに引っかかります。その場合、税務署からお尋ね文書がきて資金出所を確認されることがあるかもしれません。そうなると夫からの贈与資金が購入資金に充てられていることがお金の流れ等から明らかとなり、遡って贈与税が課されることとなります。

また、別の例でいうと、自営業者の夫が自分の所得を隠すために妻の口座に預金を移した場合において、夫の税務調査でそれが把握されれば、贈与税ではなく所得税が課税されます。この場合、重加算税、延滞税も併課されます。
 

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元国税調査官の税理士:渡邊 崇甫
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このQ&Aの回答者

渡邊 崇甫税理士(元国税局調査官)
これまでの経歴
  • 国税局 調査第一部 国際調査課
  • 国税局 調査第一部 特別国税調査官
  • 国税不服審判所(本部)
著書

元国税の税理士だから
税務調査対策が万全

専門性の高い国税職員経験を
活かした万全な対策。