1 異議申立て
税務署長等の行った更正や決定、滞納処分などについて不服があるときは、これらの処分を行った税務署長等に対して不服を申し立てることができます。これを「異議申立て」といいます。異議申立ては、処分の通知を受けた日の翌日から2か月以内に異議申立書を提出することにより行います。異議申立書を受理した税務署長等は、その処分が正しかったかどうかを調査・審理しその結果を異議決定書謄本により納税者に通知します。
2 審査請求
異議申立てに対する税務署長等の判断になお不服がある場合には、さらに国税不服審判所長に不服を申し立てることができます。これを「審査請求」といいます。
審査請求は、異議決定書謄本の送達を受けた日の翌日から1か月以内に審査請求書を提出することにより行います。
審査請求書を受理した国税不服審判所長は、その処分が正しかったかどうかを調査・審理し、その結果を裁決書謄本により納税者に通知します。
また、税務署長等の処分に不服があるときは、まず、異議申立てを行うのが原則ですが、青色申告書についての更正処分などの場合には、異議申立てをせずに、直接国税不服審判所長に審査請求をすることができます。この場合の審査請求は、処分の通知を受けた日の翌日から2か月以内に審査請求書を提出することにより行います。
平成26年6月、「行政不服審査法」について、公正性の向上、使いやすさの向上の観点から抜本的な見直しが行われるとともに、「行政不服審査法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律」により、国税に関する不服申立制度についても見直しが行われました。
改正の概要
(1) 不服申立前置の見直し
税務署長が行った処分に不服がある場合には、納税者の選択により、税務署長などに対する「異議申立て」を行わずに、直接、国税不服審判所長に対する「審査請求」を行うことができることになりました。
なお、「異議申立て」については、その名称が「再調査の請求」に変わります。
(2) 不服申立期間の延長
不服申立てをできる期間が、処分があったことを知った日の翌日から「3か月以内」に延長されました。
(3) 審査請求における証拠物件の閲覧・謄写
審理関係人(審査請求人、参加人及び税務署長など)は、税務署長などが任意で提出した物件のほか、担当審判官が職権で収集した物件についても、閲覧及び謄写を請求できることになりました。
(4) 標準審理期間の設定及び審査請求における審理手続の計画的な遂行
標準審理期間を定めるよう努める旨の規定や、口頭意見陳述等の審理手続を計画的に遂行するための規定が新たに整備されました。