スクラップの売却収入は法人(会社)の事業に関連して生じる収入ですので、その収入は法人に帰属するものとなります。したがって、法人の雑収入に計上します。法人の収入ですから社長個人が仮に確定申告していても本来的にはおかしいわけです。個人の所得税ではなく法人税を構成すべき収入に該当するものですから。
ただ、おそらく個人の所得税としても申告していないのが実態でしょう。社長の小遣いになっている可能性が高いのではないでしょうか。
税務署は、スクラップ収入が発生するかどうかは業種で判断します。鉄くずが経常的に発生するような業種については、その売却収入が雑収入として計上されていないとおかしいということになります。
また、スクラップの回収業者に対して税務調査が行われると、必ずスクラップの買取り情報をすべて資料化します。どの業者からスクラップをいつ・いくらで買い取ったかについての情報がすべて税務署に資料として蓄積され、その買取り先に税務調査が行われる際は、その資料情報をもとにスクラップの売却収入が雑収入に計上されているか否かを確認します。手許の(内部)資料によれば○年○月に△円のスクラップの売却があるはずなのに、それがどこにも記帳されていない・・・「抜いているな・・・(雑収入除外)」となるわけです。
スクラップ収入は、現金決済も多く脱税しやすい項目ですから、税務署もそこは抜かりなく調査項目として取り上げます。
収入除外は、仮装・隠ぺい行為(取引の隠ぺい)として扱われ、重加算税の対象となります。除外した収入の処理を役員賞与と認定されれば、源泉所得税の不納付の問題も出てきます。
このようにスクラップの収入除外は、法人税と源泉所得税のダブルパンチでしかも重加算税が適用されるといったなんとも割に合わない話になります