業績の良い企業が法人税を払っていない理由とは・・・

法人税の実効税率は30%台であるのに、利益が出ているはずの大手自動車メーカー、メガバンク、大手通信事業会社などがほとんど法人税を払っていないのはどういう理由によるものなのでしょうか?

法人税の金額が利益と比較して少ない場合、主に3つの理由が考えられます。

1 法人税法上でいう損金算入、益金不算入による課税所得の減額
 実は法人税率は会社の「利益」に税率をかけて算定されるのではありません。会社の利益に法人税法特有の加減算をし、それによって算定された「課税所得」に税率を掛けます。
具体的には

イ 会計上は「収益」なのに法人税法上では「収益(益金)」とならないもの。「益金不算入」として減算されます。
  例:受取配当の益金不算入

ロ 会計上では「費用」ならないのに法人税上では「費用(損金)」として扱われるもの。「損金算入」として減算されます
  例:圧縮記帳の損金算入額

こういった調整を加え、最終的な「課税所得」が求められますので、「利益」の額とは一致しません。

2 法人税法特有の「税額控除」を適用している。
 「課税所得」×税率=法人税になるのは上記で述べたとおりですが、実は租税特別措置法等によりさまざまな「税額控除」制度があります。
 税率を掛けて算定された法人税に対し、直接税金から減額する制度です。この「税額控除」は決算書で表せないため、利益に比べ大幅に法人税が少ない場合があります。
  例:試験研究の税額控除、外国税額控除

3 法人税法上の繰越欠損金控除
 法人税法上、青色申告を提出している法人は過去のマイナスの所得(欠損金)を9年間繰り越して黒字の所得から減額できます。ただし、資本金1億円以上等の一定の法人に該当する場合、黒字所得の80%を控除の上限としています。メガバンクなど大手金融機関がほとんど税金を納めていないのは過去の不良債権の処理により発生した膨大な欠損金を黒字と相殺しているからです。

 

全国対応・緊急案件対応

神戸を中心に大阪、東京、名古屋に国税OB税理士を配置しています。

地域によっては遠距離移動を伴いますが、全国の税務調査に対応します。

また、調査官が突然、無通知でやってきた場合や既に調査が始まっている場合などの緊急案件にも年中無休で対応しています。とりあえずご一報ください。

税務調査の立会いは
年中無休、土日祝対応
緊急案件OK

渡邊の写真
元国税調査官の税理士:渡邊 崇甫
  • 税務署から税務調査に関する連絡があった
  • 調査官が突然、無通知でやってきた
  • 既に調査が始まっている場合

いますぐご連絡ください

  • 税務署から税務調査に関する連絡があった
  • 調査官が突然、無通知でやってきた
  • 既に調査が始まっている場合

お気軽にお問合せください

このQ&Aの回答者

渡邊 崇甫税理士(元国税局調査官)
これまでの経歴
  • 国税局 調査第一部 国際調査課
  • 国税局 調査第一部 特別国税調査官
  • 国税不服審判所(本部)
著書

元国税の税理士だから
税務調査対策が万全

専門性の高い国税職員経験を
活かした万全な対策。