寄附金と広告宣伝費の区分について

当社は訪問販売による商品の販売を行っております。
このため、訪問先の顧客から当社の信用を頂くために企業イメージと社会的地位の確立が非常に大切です。
当社はそのために、A国に学校を約1,000万円で建設し、A国政府に寄贈することを検討しております。
寄贈を行なうことでB新聞、C新聞、D新聞等の大手広告媒体に取り上げられ、自社で広告を掲載する以上に当社のイメージが向上し、加えて、自社HP、会社のパンフレットに掲載することにより、寄贈額である1,000万円以上の広告宣伝効果があるものと考えて寄贈するものです。
以上の支出額を広告宣伝費として処理してもよろしいでしょうか。

広告宣伝費ではなく、寄附金に該当するものと考えられます。

法人税法第37条第7項において、「寄附金の額は、寄附金、拠出金、見舞金その他いずれの名義をもってするかを問わず、内国法人が金銭その他の資産又は経済的な利益の贈与又は無償の供与(広告宣伝及び見本品の費用その他これらに類する費用並びに交際費、接待費及び福利厚生費とされるべきものを除く。)をした場合における当該金銭の額若しくは金銭以外の資産のその贈与の時における価額又は当該経済的な利益のその供与の時における価額によるものとする。」とされています。

照会の事実関係を前提とすれば、貴社が実施するA国政府への学校の寄贈については、「寄贈」という文言からすれば、寄贈先であるA国政府に対する資産の贈与に該当するものと考えられます。

したがって、法人税法第37条第7項に規定する寄附金の額に該当するものと考えられ、A国政府に対して直接寄附されるものですので、一般の寄附金として損金算入の限度額の範囲内で、損金算入されることとなります。

なお、A国政府への学校の寄贈を行えば、新聞各社のメディアに幅広く取り上げられることから、間接的に、不特定多数の者に対する宣伝効果があるとのことですが、間接的な効果があることをもって広告宣伝費として取り扱うことは相当ではありません。

また、貴社においては、A国政府への学校の寄贈をしたことを貴社のパンフレットなどに掲載するとのことですが、これらの掲載に直接要した費用(印刷費など)は、一般的には広告宣伝費に該当するものと考えられます。

国税庁 文書回答事例参照

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元国税調査官の税理士:渡邊 崇甫
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このQ&Aの回答者

渡邊 崇甫税理士(元国税局調査官)
これまでの経歴
  • 国税局 調査第一部 国際調査課
  • 国税局 調査第一部 特別国税調査官
  • 国税不服審判所(本部)
著書

元国税の税理士だから
税務調査対策が万全

専門性の高い国税職員経験を
活かした万全な対策。