株式の譲渡所得の算定において取得費を売却価額の5%としてよいか?

非上場の株式の譲渡所得計算の際に、取得費を売却価額の5%を使っても良いか・・

法人設立時に500円で出資した非上場株式を、今般その100倍に当たる5万円で売却します。
仮に1,000株売却するとした場合、売却額5,000万円に対する取得費を250万円(5,000万円×5%)としても良いのでしょうか。(実際の取得費は50万円となります。)
土地の譲渡所得の場合は、概算所得費という規定があって譲渡価額の5%を取得費にできるとありますが、株式の場合でも可能でしょうか?

 

ご質問のとおりの理解で差し支えありません。譲渡した株式の実際の取得費が譲渡価額の5%に満たない場合は、「取得費」を5%として譲渡所得を算定することができます。

〇 株式の譲渡により生じる譲渡所得について

株式等を譲渡(売却)した場合の「譲渡所得」の金額は、「譲渡価額(売却金額)」から「取得費(取得価額)」と「売却手数料等」を差し引いて計算します。

「譲渡所得」=「譲渡価額(売却金額)」-「取得費(取得価額)」-「売却手数料等」

そして、相続により株式を取得した場合における「取得費」は、被相続人の「取得費」を引き継ぐこととなります

〇 「取得費」が分からない場合などの取り扱い

譲渡した株式等が相続したものであるとか、購入した時期が古いなどのため取得費が分からない場合には、同一銘柄の株式等ごとに、取得費の額を売却代金の5%相当額とすることも認められます。実際の取得費が売却代金の5%相当額を下回る場合にも、同様に認められます。 
例えば、ある銘柄の株式等を300万円で譲渡した場合に取得費が不明なときは、売却代金の5%相当額である15万円を取得費とすることができます。 

【参考】 平成13年9月30日以前に取得した上場株式等の取得費の特例について
平成13年9月30日以前に取得した上場株式等で一定のものを、平成15年1月1日から平成22年12月31日までに譲渡した場合には、その上場株式等の平成13年10月1日における終値の80パーセント相当額を取得費とすることができます。 

(注)この特例は、平成22年度税制改正により、適用期限(平成22年12月31日までの譲渡)の到来をもって廃止されました。

(所法33、48、57の4、60、所令84、105、109~113、118、167の7、措法29の2、37の10、平成22改正前措法37の11の2、平22改正法附則62、措令19の3、措通37の10-9の3、37の10-10、37の10-14)

全国対応・緊急案件対応

神戸を中心に大阪、東京、名古屋に国税OB税理士を配置しています。

地域によっては遠距離移動を伴いますが、全国の税務調査に対応します。

また、調査官が突然、無通知でやってきた場合や既に調査が始まっている場合などの緊急案件にも年中無休で対応しています。とりあえずご一報ください。

税務調査の立会いは
年中無休、土日祝対応
緊急案件OK

渡邊の写真
元国税調査官の税理士:渡邊 崇甫
  • 税務署から税務調査に関する連絡があった
  • 調査官が突然、無通知でやってきた
  • 既に調査が始まっている場合

いますぐご連絡ください

  • 税務署から税務調査に関する連絡があった
  • 調査官が突然、無通知でやってきた
  • 既に調査が始まっている場合

お気軽にお問合せください

このQ&Aの回答者

渡邊 崇甫税理士(元国税局調査官)
これまでの経歴
  • 国税局 調査第一部 国際調査課
  • 国税局 調査第一部 特別国税調査官
  • 国税不服審判所(本部)
著書

元国税の税理士だから
税務調査対策が万全

専門性の高い国税職員経験を
活かした万全な対策。