中小企業退職金共済(通称:中退共)

従業員の退職金として使える中小企業退職金共済を紹介します。

当社は2008年に加入しました。
投資履歴のうち以下の時期にあたります。

  • 第一期:従業員と代表の老後資金確保
  • 第二期:従業員の定年までの最低生活確保
  • 第三期:従業員と代表のさらなる老後資金確保
  • 第四期:従業員のプラスαの報酬確保(モチベーションUP)
  • 第五期:福利厚生充実

※詳しくは、「当社の投資履歴」を参照

当時の状況

売上ゼロから出発した運営サイトからの収益により、創業メンバーに対する給与を確保できるようになった時期です。
そのまま給与をUPしていくよりも、将来の備えが先決と判断したのが加入の背景です。

ほぼ同じ時期に特定退職金共済にも加入したのですが、両方とも全額損金となることが加入の決め手となりました。

退職金共済手帳

この従業員Aは加入した2008年時点で35歳。
最初の6ヶ月は掛金1万円、その後は毎月3万円の掛金に切り替えました。

65歳になったとき(2038年)に受け取る金額は、1263万9300円となります。

中退共の副次的効果

加入した従業員の安心を満たすだけでなく、これから入社する人にも影響を与えます。
求人募集時に「退職金あり:中退共、特退共」と書けるからです。

日本の社会は「会社も従業員も一心同体」という空気が薄れ、退職金制度を廃止する企業が増えてきています。

退職給付制度がある企業の割合(企業規模別) 退職給付制度がある企業の割合(企業規模別)

だからこそ、退職金制度を導入し、働く人から「選ばれる会社」になれると考えています。

中退共だけが理由ではないですが、当社は採用に困ったことがありません。
※ハローワークの求人票には「中退共の加入をチェックする項目(退職金共済)」があります。

中退共の特長

中退共は、中小企業退職金共済法に基づき、厚生労働省の管轄で運営されています。

この制度の特長は、以下のとおりです。

  1. 掛金が全額損金扱いとなる
  2. 厚生労働省の所管となるので安全・確実
  3. 掛金の一部を国が助成

勤続30年で1200万以上を支給

中退共で支給される退職金は、中小企業のモデル退職金に匹敵します。
一般的な中小企業における退職金の相場との比較は、以下のとおりです。

勤続30年 定年(勤続38年)
モデル退職金(高校卒) 704万円 1082万円
モデル退職金(大学卒) 856万円 1138万円
中退共 1263万円 1669万円

勤続30年で受け取れる額は約1263万円、
勤続38年では約1669万円となります(掛金30,000円/月の場合)

給付金シミュレーション

受け取れる金額は掛金と年数によって異なります。

1年未満は給付金がなく、3年目までは掛金と同じか下回りますが、4年目からは掛けた額以上の給付金を受け取れるようになります。

加入期間 給付額(基本退職金)
掛金5,000円 掛金20,000円 掛金30,000円
1年未満 0円 0円 0円
1年 18,000円 72,000円 108,000円
4年 240,850円 963,400円 1,445,100円
10年 632,800円 2,531,200円 3,796,800円
20年 1,333,300円 5,333,200円 7,999,800円
30年 2,106,550円 8,426,200円 12,639,300円
38年(定年) 2,782,350円 11,129,400円 16,694,100円
40年 2,958,950円 11,835,800円 17,753,700円

加入手続きは簡単

申込書を金融機関、委託事業主団体、委託保険会社に提出していただければ加入できます。

掛金はご指定口座からの口座振替となります。

特退共との併用

中退共と同じく全額損金となる退職金制度に、特定退職金共済(特退共)があります。

特退共は中退共と同時に加入することができ、両方から退職金を受け取れます。

中退共加入企業の調査では、退職金制度を「中退共しか準備していない」企業は65.5%に上るとのこと。

そんな中、特退共とあわせて加入すれば、さらなる差別化が期待できます。

全額損金による節税効果も

掛金は5,000円から30,000円の範囲で選択でき、全額損金となります。

掛金30,000円なら、従業員一人につき年間36万円が経費に。法人税を30%とすると108,000円の節税効果が得られます。

全従業員分となれば、さらに多くの額を経費計上でき、節税額も大きくなります。

掛金3万円×12か月=36万円×全従業員分を経費計上できる

退職金受取時の税金について

中退共の退職金は、直接従業員に支払われます。
その際、所得税が発生するのですが、控除があるので、ほとんどの場合は税金がかかりません。

当社の従業員を例に計算してみます。
控除額の計算方法は以下のとおりです。

  1. 勤続年数20年以下の控除額
    40万円×勤続年数
    ※この計算の結果、80万円に満たない場合、控除額は80万円
    ※勤続年数とは、納付年数を指す
  2. 勤続年数20年以上の控除額
    800万円+70万円×(勤続年数-20年)
    ※勤続年数とは、納付年数を指す

当社の従業員は……

2008年中退共加入→退職時2038年なので、勤続年数は30年。
よって、勤続年数20年以上にあたります。

また、2008年に掛金1万円でスタートし、半年後に3万円へ増額しているので、退職金は1233万5320円です。

800万円+70万円×(勤続年数30年-20年)=控除額1500万円

控除額1500万円 > 退職金1233万5320円なので、税金はかからないということになります。

当社では、「売上」と「従業員が出す結果」を連動させ、モチベーションUPを目的に「養老保険」や「終身保険」にも加入しています。

御社の退職金導入計画に当社の「投資年表」が参考になればと思います。