掛金が損金になる積立スキームの具体的な節税を教えてください。
- 詳しいプロフィール
-
掛金が損金になる積立スキームの具体的な節税を教えてください。
-
以下の4つが当社が経験した、このスキームを利用した積立商品の節税となります。
- 倒産防止共済
- 小規模企業共済
- 特退共・中退共
- 法人保険
上記3つは、国が運営している制度ですので、当社ではなによりも先に加入すべきものと考えています。
それぞれご紹介します。
1、倒産防止共済
利益の繰り延べに使える節税です。
この制度の特徴は以下のとおりです。
掛金:5000円から20万円/月の間で自由に設定
積立上限:800万円
損金性:全額損金
制度に満期はありません。
3年8ヶ月目以降であれば、いつでも好きなタイミングで投資金額の100%を受け取ることができます。
また、掛金の払込が難しくなった場合には、減額も可能です。
さらに、決算直前でも「前納」制度を利用することで、最大260万円までを損金計上できるようになります。
詳しくは以下のページをご覧ください。
2、小規模企業共済
制度自体は、法人ではなく個人を対象とした社長の退職金制度となります。
倒産防止共済に加え、この制度の運営も国が行っており、掛金の全額が所得控除となります。
当社では、事業をしていく上で社長と会社の財布は同じと考えていますので、倒産防止共済とセットで必ず加入すべきものと考えています。
この制度の特徴は以下のとおりです。
掛金:1000円から7万円/月の間で自由に設定
損金性:全額が所得控除
こちらの制度にも、満期はありません。
当社代表の加入ケースでは、39歳で加入しました。
退職予定の65歳では、積立総額の114%の2500万円を受け取る予定です。(掛金は7万円/月、加入年数は26年)
なお、解約事由によって100%以上を回収するために必要な加入年数が異なります。
退職予定が65歳以上と考えている方は、最低でも100%を回収するには15年間の加入年数が必要になるなど、いくつかの基準がありますので、加入前にはシミュレーションをすることがおすすめです。
倒産防止共済と同じく、こちらの制度にも「前納」制度、掛金の減額等が使えますので、所得税対策としてまだ加入していない場合は、ぜひご検討ください。
3、特退共・中退共
正式名称はそれぞれ「特定退職金共済」と「中小企業退職金共済」です。
いずれも従業員のための退職金制度であり、掛金が全額損金となります。
掛金金額は、それぞれ以下のとおりです。
特退共・・・1000円から3万円/月
中退共・・・5000円から3万円/月
制度の概要は両方ともほとんど同じものです。
しかし、受け取れる金額や元本を上回るのにかかる年数などに若干違いがあり、まずは条件の良い中退共への加入がおすすめです。
2つの制度の違いは、以下のQ&Aにて解説していますのでぜひご覧ください。
以下、それぞれ掛金3万円で38年間(22歳で加入、定年60歳まで)かけた場合に受け取れる金額です。
支払った累計額は、1368万円です。
特退共 中退共 受取金額 1491万円 1669万円
なお、これらの制度は、いずれも直接機構から従業員へ支払われるものとなります。ぜひ、従業員の退職金制度として加入をご検討ください。
4、法人保険
法人保険は、任意で設定した掛金を毎月、毎年といったように積立ていくものです。
徐々に上がっていく返戻率がピークになる頃に解約をすることで、100%近くのお金を受け取ることができます。
支払う保険料は、「全額」や「1/2」「1/3」「1/4」が損金算入できることから、利益の圧縮に使われてきました。
特に、節税目的での加入は、主に損金額が大きい「全額」や「1/2」が多く選ばれていました。
しかし、2019年2月の国税庁通達により、現在、これまでに販売をしていた法人保険の募集がストップしました。
その後、新たなルールが設けられた結果、節税としての法人保険の魅力はなくなりました。
そのため、以下、当社が加入した法人保険の中から、現在でも同じ節税効果が得られる「養老保険」をご紹介します。
養老保険は、従業員の退職金を準備する保険となります。
全従業員を加入させることで、保険料が1/2損金となります。
なお、これは一旦満期返戻金を会社が受け取り、会社から従業員へお金を渡す方法となります。
直接満期返戻金を従業員に渡す場合には、保険料の全額が損金になります。
満期は、「従業員が60歳もしくは65歳になる頃」、その他「10年満期、15年満期」といったようにある程度自由に設定ができます。
しかし、倒産防止共済のように、掛金の支払いが難しくなった場合に、減額などはできません。
満期を迎える前に解約をしてしまうと、大幅に元本から目減りしてしまう可能性がありますので、必ず払えるだけの保険料を設定することが重要です。
当社では、ドル建てと円建ての2つの養老保険を加入しています。
それぞれの事例は以下よりご覧いただけます。
当社が経験した6種類の節税スキームのうち、今回はその一つの「掛金が損金となる積立商品のスキーム」をご紹介しました。
その他のスキームもぜひご覧ください。