倒産防止共済、法人保険、小規模企業共済の加入すべき順番を教えてください。

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渡邊 崇甫税理士(元国税局 調査官)
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倒産防止共済、法人保険、小規模企業共済が節税に使えると聞きました。

これらは、どれから加入するのがいいのでしょうか。

おっしゃるとおり、その3つは節税によく使われるものです。

加入を決める優先順位とその特徴をご説明します。

どれから加入するのがベストか

私は、クライアントに以下の順での加入を勧めています。

  1. 小規模企業共済
  2. 倒産防止共済
  3. 法人保険

小規模企業共済

最初に加入するのは、小規模企業共済です。

理由は、国が運営しているので、安心、確実という点と元本保証に15年かかるからです。

本制度は、経営者のための退職金制度です。

社長個人が加入し、積立てる掛金の全額を所得から控除できます。

そのため、個人の所得税、住民税の節税になります。

絶対的な信頼性

運営団体は、国が全額出資している独立行政法人です。

そのため、信頼性、安全性が高い退職金制度です。

長期加入に適した退職金制度

長期加入になるほど、受け取れる金額は増えます。

39歳で加入したクライアント会社の代表の例を紹介しましょう。

退職予定の65歳には、26年間納付することになり積立額の114%を受け取れます。

解約事由によって受け取れる共済金の種類や受け取れる金額、元本回収時期にも差が生じます。

また、加入条件は業種により異なりますが、従業員数が5人以下もしくは20人以下の会社の役員が対象となりますので早い段階での加入がお勧めです。

倒産防止共済

次に、加入するのがこの制度です。

こちらも運営が国のため安心、確実です。

連鎖倒産を防ぐために作られた貸付制度であり、万一の際には、積立総額の10倍の資金の貸付を受けられます。

本来の目的以外にも、利益の繰り延べとして利用されています。

絶対的な信頼性

運営団体は、小規模企業共済と同じ独立行政法人です。

また、3年4ヶ月を経過すると元金が100%受け取れます。

目減りのしない繰り延べですので、まずは本共済を優先すべきと考えます。

法人保険

小規模企業共済と倒産防止共済に加入したあとには、目的に応じて民間の法人保険を検討してください。

クライアントが導入した保険を目的別に紹介します。

それそれの詳細は各ページをご覧ください。

▼利益の繰り延べ

倒産防止共済は、積立上限額が800万円です。

そのため、800万円以上の繰り延べには、法人保険を使うと良いでしょう。

▼従業員の退職金

▼社長の退職金

▼社長への利益移転