公的な退職金積立制度を教えてください。

渡邊 崇甫税理士(元国税局 調査官)
- 詳しいプロフィール
公開日:
-
小さな会社を経営しています。
起業して2年がたち、業績も上がりつつあるので、社員のために退職金制度の導入を考えています。
過去、勤めていた会社ではあった気がしますが、退職金のための公的な積立制度はありますでしょうか。
-
特定退職金共済(特退共)と中小企業退職金共済(中退共)が公的な退職金制度としてあります。
どちらも掛金が全額損金になります。
しかし、これらには掛金金額、受け取れる金額、助成金の有無に違いがあります。
掛金金額
▼特退共における掛金
1000円~3万円/月 の間で設定
▼中退共における掛金
5000円~3万円/月 の間で設定
受け取れる金額
▼掛金3万円の場合
種類 30年間加入した場合 38年間加入した場合 特退共 1146万円 1491万円 中退共 1263万円 1669万円 中退共の方が支給額は多くなります。
助成金
中退共は、新規加入時に従業員1人につき最大5000円/月の助成金が受けられます。
助成金を受けられる期間は1年間です。
また、条件はありますが増額の場合にもこの制度は適用されます。
以上の理由から、まずは中退共への加入をおすすめします。※加入企業数は、中退共の方が多くなっています。私のクライアントには、中退共に加入後、余力があるなら特退共への加入もおすすめしています。
退職金制度を充実させることで、勤労意欲の向上と業績向上に役立ちます。
詳しくは以下をご覧ください。
最後に、「社長」のための公的退職金制度である「小規模企業共済」をご紹介します。
社長個人が加入するもので、掛金が所得控除となります。
そのため、所得税と住民税の節税効果があります。
社長の退職金準備もこれからということでしたら、以下をご参考ください。