法人保険と小規模企業共済では、どちらに先に加入する方が良いでしょうか。

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渡邊 崇甫税理士(元国税局 調査官)
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先日、個人事業主から法人に変更しました。

法人保険は保険料が損金になり、節税にも有効だと聞きました。

社長である私の退職金を準備するには、法人保険と小規模企業共済のどちらに先に加入するのが良いでしょうか。

まずは損金性が高く、安心確実な小規模企業共済へ先に加入することをおすすめします。

小規模企業共済

国の機関が運営している制度ですので、安心確実です。

また、掛金全額が個人の所得から控除できます。

掛金が所得控除になることから、役員報酬に上乗せ支給し、実質損金にすることができます。


このように給与を掛金分上乗せしても所得税は変わりません。

長期加入で、100%以上の共済金を受け取れますので、まずは小規模企業共済へ加入しましょう。

詳細は以下をご覧ください。

法人保険

小規模企業共済の次に加入するのが、法人保険になります。

法人保険の中でも、役員退職金に使うことができる保険は以下の3つになります。

それぞれの保険の特徴と加入すべき順番をご説明します。

  • 長期平準保険
  • 逓増定期保険
  • 養老保険

長期平準定期保険

保険料は1/2が損金になります。

早い時期での加入は、長期平準定期保険がおすすめです。

なぜなら、返戻率は加入後緩やかに上がり、10年~20年後にピークを迎えるからです。

下記の画像は、私のクライアントが加入した事例です。

加入後12~21年後にピークをむかえます。

そのため、退職時期に合わせて40~50歳前後の早い段階で加入することをおすすめします。

なお、保険会社によって、ピーク時期は15~25年後や18年~30年後というようにさまざまです。

自身の退職時期と返戻率で選ぶと良いでしょう。

長期平準定期保険の詳細ページは以下をご覧ください。

逓増定期保険

次に加入するのが、逓増定期保険です。

保険料は1/2が損金になります。

下記の画像もクライアントの加入保険になります。

返戻率のピーク時期が加入から4年?11年で迎えます。

そのため、加入時期も50歳~60歳で加入するのがおすすめです。


逓増定期保険の詳細ページは以下ご覧ください。

養老保険

最後に加入するのが養老保険です。

損金性は、1/2損金ですが、1/2損金にするためには、従業員全員を加入させなければいけないためコストが増えます。

そのため、比較的最後の加入をおすすめします。

養老保険の詳細ページは以下ご覧ください。