養老保険の満期返戻金を受け取った場合、法人の税務処理はどうなりますか?

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渡邊 崇甫税理士(元国税局 調査官)
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養老保険の満期が近づいています。満期返戻金を法人が受け取った場合、どのような税務処理が必要になりますか?また、その後従業員に退職金として支払う場合の処理も教えてください。

満期返戻金を法人が受け取った場合、資産計上していた保険料との差額が益金または損金として計上されるのが一般的です。その後、退職金として従業員に支払う際は損金算入できるケースが多いです。実際の処理は顧問税理士にご確認ください。

満期返戻金受取時の税務処理の考え方

養老保険の保険料のうち、満期保険金受取人が法人の場合は保険料の1/2が資産計上されています。満期返戻金を受け取った際の一般的な処理の考え方は以下のとおりです。

項目税務上の処理の考え方
満期返戻金の受取雑収入(益金)として計上されるのが一般的
資産計上していた保険料取り崩して損金計上
差額(返戻金 − 資産計上額)返戻率が100%超の場合は益金・100%未満の場合は損金

実際の金額・処理方法は契約内容・返戻率・会計方針によって異なるため、顧問税理士との確認が前提になります。

当社の実例(2回目の養老保険・円建て)

当社が2015年に加入した10年満期の養老保険は、2025年に満期を迎えました。

項目金額
総支払保険料10,160,800円
うち資産計上額(1/2)5,080,400円
満期返戻金10,000,000円
返戻率98.4%
差額(返戻金 − 資産計上額)4,919,600円

総支払保険料に対して返戻率98.4%のため元本をわずかに下回りますが、資産計上額(払込保険料の1/2)との比較では差額が発生します。

退職金として従業員に支払う場合の処理の考え方

満期返戻金を原資として従業員に退職金を支払う場合、退職金は損金として計上できるケースが多いです。

項目税務上の処理の考え方
退職金の支払い損金算入できるケースが多い
従業員の受取退職所得として優遇課税される仕組みになっている

満期返戻金と退職金を同じ事業年度に処理することで、益金と損金を相殺できる場合があります。ただし退職金の支給には株主総会の決議と議事録の作成が必要です。実際の処理は顧問税理士にご確認ください。

まとめ

養老保険の満期返戻金を法人が受け取った場合、資産計上額との差額が益金または損金として計上されるのが一般的です。退職金として従業員に支払う場合は損金算入できるケースが多く、益金との相殺が可能な場合があります。

ただし返戻率・退職時期・資金繰りの状況によって最適な対応は異なるため、満期が近づいた段階で顧問税理士と処理の方針を確認しておくことをおすすめします。

当社の養老保険加入の体験談は以下のリンクからご覧いただけます。

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