退職金を準備する際において、法人が必要となる資金や発生する損金について、納税額も含めて教えてください。

渡邊 崇甫税理士(元国税局 調査官)
- 詳しいプロフィール
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法人保険で従業員の退職金準備を検討しています。
会社が返戻金を受け取ったあとに従業員に支払うものを希望しており、検討しているのは養老保険か長期平準定期保険です。
従業員は40歳の男性です。
65歳で1300万円くらいを支給できればと考えています。
以下、2点教えてください。
- 退職金を準備するには、会社は年間いくら必要か
- 解約時に発生する税金額
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以下2点、順番にお答えます。
- 退職金を準備するには、会社は年間いくら必要か
- 解約時に発生する税金額
退職金を準備するには、会社は年間いくら必要か
40歳の従業員が65歳になる25年間で、約1300万円を貯める場合、保険料は60万円/年ほどになります。
検討中の保険はいずれも1/2損金のため、保険料の半分は資産扱いになります。
そのため、保険料とは別に納税資金を準備する必要があります。
(60万円×1/2)×法人税30%=9万円が1年間にかかる税金額です。
つまり、会社は従業員1人の退職金のために、以下の金額を準備することになります。
保険料60万円+税金9万円=合計69万円
解約時に発生する税金額
25年間の累計支払保険料1500万円に対して解約返戻金は1350万円が受け取れます。(返戻率は90%で計算)
半損保険の場合は、このうちの600万円が益金扱いとなり税金対象となります。
しかし、退職金は経費になります。
1350万円を退職金として支給すれば、600万円に税金がかからなくなります。
さらに1350万円-600万円=750万円の損金が余分に発生します。
私のクライアントは、役員の退職金準備として長期平準定期保険に加入しています。
しかし、従業員の退職金目的でも加入できます。
クライアントの事例は以下のページをご覧ください。
