退職金にはどのように税金がかかるのでしょうか。

渡邊 崇甫税理士(元国税局 調査官)
- 詳しいプロフィール
公開日:
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会社を経営しはじめ、自身の退職金を準備しようと検討しているところです。
退職金にかかる所得税ですが、退職金には高額の税金がかかるんではないでしょうか。
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いいえ、退職金は、給料のような給与所得と違い控除が受けられます。
そのため、退職金にかかる税金負担は少なくなります。
例を用いてご説明します。
65歳で4000万円の退職金を受け取る場合
仮に、ご質問者様の年齢が35歳で、65歳に4000万円を受け取ったとします。
退職金は、勤続年数に応じて控除が受けられます。
65歳時点での勤続年数は30年になります。
計算式に基づくと、30年勤続では1500万円の控除額が受けられます。
また、税金の対象になるのは、「退職金-控除額」の半分になります。
よって、(4000万円-1500万円)/2=1250万円が税金の対象となります。
退職金は分離課税扱いです。
1250万円に対して、分離課税で所得税を計算し、控除額など差し引くと税金額は以下になります。
▼所得税:258万円
▼住民税:125万円
合計383万円が税金額となり、受け取れる金額は4000万円―383万円=3616万円になります。
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