3年から5年にかけて利益の繰り延べができるものはありますか?
渡邊 崇甫税理士(元国税局 調査官)
- 詳しいプロフィール
公開日:
-
今期上がった利益を3年から5年先に繰り延べたいと考えていますが可能でしょうか?
-
本Q&Aは、2018年9月20日時点のものです。
最新の情報は、お問い合わせください。3年から5年といった短期繰り延べの節税方法を2つご紹介します。
- 倒産防止共済
- 法人保険
倒産防止共済
これは連鎖倒産を防ぐための貸付制度です。
国が運営している制度のため、安心確実です。
積立という性格があるので、利益繰り延べにも使うことができます。
掛金は月額5000円から20万円の間で設定でき、全額が損金になります。
3年4ヶ月継続すると、いつでも100%の積立金が受け取ることができます。
年間の最大積立額は240万円です。
上限額は800万円ですので、「800万円までの短期繰延べ」には本共済がおすすめです。
800万円以上の繰延べには法人保険
短期繰り延べに向いている保険は以下の2つです。
- 逓増定期保険
- 災害保障重視型定期保険
逓増定期保険
逓増定期保険の特徴は、返戻率のピーク到来時期が早いことです。
以下の図は当社が加入したものです。
加入後4年目に91.3%の返戻率を迎えます。
その後、11年目までピーク期間が続きます。
ご相談内容の「3年~5年」とは多少ずれますが、返戻率の高い保険なのでお勧めです。
損金性は、被保険者の年齢が36才未満であれば全損、それ以降は1/2損金になります。
災害保障重視型定期保険
全損保険の一種です。
以下は、当社が加入した図で、返戻率は3年目から5年目にピークを迎えます。
この保険の特徴は、保険料が全額損金になることです。
ピーク時の返戻率は83.3~86.9%です。
全損保険は半損保険に比べて返戻率が低くなります。
しかし、保険料全額が損金になるので、利益圧縮を重視する場合や納税資金に余裕がない場合にはおすすめです。