オペレーティングリースとはどのような仕組みでしょうか。

渡邊 崇甫税理士(元国税局 調査官)
- 詳しいプロフィール
公開日:
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オペレーティングリースの仕組みがよく分かりません。
仕組みと節税効果について教えてください。
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オペレーティングリースとは、銀行が取り扱う航空機やタンカーのリース事業に出資をし、リース期間終了まで利益を繰り延べするものです。
具体的な仕組みをご説明します。
航空機オペレーティングリースの例
- 航空機を購入するリース会社に出資をする
- リース会社が航空会社に機体をリースする
- 航空会社よりリース料を得る
- リース期間終了後に航空機を売却する
- それまでに受け取ったリース料と売却金で出資額以上を回収する
リース事業に出資をすることで、利益圧縮と繰り延べができます。節税効果
私のクライアントの事例を紹介します。
オペレーティング・リースの募集金額は、3000万円から数億円まで対応しています。
支払い回数は1回きりですので継続支払いの心配はいりません。
償却年数は3年です。
償却率は、プランによって変動しますが、初年度から出資金額の約50%から70%を償却できます。
クライアントは、3000万円を出資し、初年度約53%を損金計上しました。
初年度の損金計上額と法人税の節税額は以下のとおりです。
▼損金計上額:3000万円×53%=1590万円
▼法人税節税額:1590万円×30%=477万円
リース期間終了時には、お金の使い途が必要
リース期間終了時には、航空会社が機体を買い取ります。
リース料と売却金をあわせると出資額以上を回収できます。
元本保証ではありませんが、大手銀行の取り扱いのため、信用性は高いと判断しています。
なお、このお金は利益となりますので、税金がかかります。
そのため、受け取り時期に合わせて3000万円以上の損金計上できる使い途を準備する必要があります。
しかし、数千万円から数億円の節税で「1度きりの支払い」「償却期間が短く初年度に大きな損金計上ができる」ものはありません。
また、オペレーティング・リースは「出資」という支払い方法のため、減価償却扱いにはなりません。
そのため、決算前でも大きな損金を計上できる特徴もあります。
詳しくは、クライアントの事例をご覧ください。